くも膜下出血の治療 現状と展望

くも膜下出血の転帰を改善させるための必要条件は, 全身状態を安定させ, 可及的早期に破裂脳動脈瘤に対する手術を実施することである. また, 新たな脳損傷を含む手術合併症を極力回避できる手術法を選択すべきである. そのうえで, 頭蓋内圧などの頭蓋内環境を安定させるとともに続発性脳損傷を防ぐための手間を惜しまない術後管理が必要である. しかし, くも膜下出血の転帰のさらなる改善のためには, 手術成績の改善のみでは不十分で, 早期脳損傷や遅発性脳虚血に対する新たな治療法の開発が必要である. 現在, 続発性脳損傷の抑制を目的とした複数の第3相試験が行われており, その結果が待たれる....

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 31; no. 8; pp. 513 - 520
Main Authors 浅田, 玲緒尚, 佐藤, 丈典, 辻, 正範, 川北, 文博, 鈴木, 秀謙, 安田, 竜太, 山本, 篤志, 宮崎, 敬大, 当麻, 直樹, 三浦, 洋一, 藤本, 昌志, 山中, 拓也, 西川, 拓文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経外科コングレス 2022
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.31.513

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Summary:くも膜下出血の転帰を改善させるための必要条件は, 全身状態を安定させ, 可及的早期に破裂脳動脈瘤に対する手術を実施することである. また, 新たな脳損傷を含む手術合併症を極力回避できる手術法を選択すべきである. そのうえで, 頭蓋内圧などの頭蓋内環境を安定させるとともに続発性脳損傷を防ぐための手間を惜しまない術後管理が必要である. しかし, くも膜下出血の転帰のさらなる改善のためには, 手術成績の改善のみでは不十分で, 早期脳損傷や遅発性脳虚血に対する新たな治療法の開発が必要である. 現在, 続発性脳損傷の抑制を目的とした複数の第3相試験が行われており, その結果が待たれる.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.31.513