天然の雪結晶によるエーロゾル除去作用に関する実験 第3部捕捉率に及ぼす雪結晶の電荷の効果

直径0.1ミクロンから6ミクロンまでのエーロゾル粒子について,電荷を持った天然の雪結晶による捕捉率が,泳動力と外部電場の無視できる条件のもとで調べられた。Murakami et a1. (1985a)が求めた電荷を持たない雪結晶の捕捉率との比較から,雪結晶の電荷の捕捉率に及ぼす効果を見積った。 雪結晶の電荷による捕捉率の向上は,エーロゾル粒径が小さくなるにつれて顕著となり,0.2ミクロン付近で最大となった。今回の実験条件のもとでは,各種の静電気力の中でクーロン力が捕捉率向上の支配的因子であったと考えられる。今回の実験結果と,以前Murakami et al.(1985a,b)が得た結果に基づい...

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Published in気象集誌. 第2輯 Vol. 63; no. 6; pp. 1127 - 1138
Main Authors 菊地, 勝弘, 孫野, 長治, 村上, 正隆
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本気象学会 1985
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ISSN0026-1165
2186-9057
DOI10.2151/jmsj1965.63.6_1127

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Summary:直径0.1ミクロンから6ミクロンまでのエーロゾル粒子について,電荷を持った天然の雪結晶による捕捉率が,泳動力と外部電場の無視できる条件のもとで調べられた。Murakami et a1. (1985a)が求めた電荷を持たない雪結晶の捕捉率との比較から,雪結晶の電荷の捕捉率に及ぼす効果を見積った。 雪結晶の電荷による捕捉率の向上は,エーロゾル粒径が小さくなるにつれて顕著となり,0.2ミクロン付近で最大となった。今回の実験条件のもとでは,各種の静電気力の中でクーロン力が捕捉率向上の支配的因子であったと考えられる。今回の実験結果と,以前Murakami et al.(1985a,b)が得た結果に基づいて,幾つかの捕捉メカニズムを考慮した平板状雪結晶のエーロゾル捕捉率に関する半経験式を導出した。
ISSN:0026-1165
2186-9057
DOI:10.2151/jmsj1965.63.6_1127