天然の雪結晶によるエーロゾル除去作用に関する実験 第一部:電荷を持たない雪結晶のミクロンおよびサブミクロン粒子に対する捕捉率

電荷を持たない雪結晶の,直径0.1ミクロンから6ミクロンまでのエーロゾル粒子に対する捕捉率が実験的に調べられた。エーロゾル捕捉実験は外部電場や泳動力の無視できる条件のもとで行なわれた。エーロゾルの粒径が6ミクロンから0.2ミクロンへと小さくなるにつれて捕捉率も減少した。しかし,0.2ミクロン付近で最小値に達し,さらに粒径が0.2ミクロンから0.1ミクロンへと小さくなると,逆に捕捉率は増加した。0.2ミクロンから6ミクロンまでのエーロゾル粒子に関しては,インターセプションが主な捕捉メカニズムと考えられた。雲粒付き雪結晶と雲粒付きでない雪結晶の捕捉率の差が小さいことにも明らかになった。今回の実験か...

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Published in気象集誌. 第2輯 Vol. 63; no. 1; pp. 119 - 129
Main Authors 菊地, 勝弘, 孫野, 長治, 村上, 正隆
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本気象学会 1985
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ISSN0026-1165
2186-9057
DOI10.2151/jmsj1965.63.1_119

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Summary:電荷を持たない雪結晶の,直径0.1ミクロンから6ミクロンまでのエーロゾル粒子に対する捕捉率が実験的に調べられた。エーロゾル捕捉実験は外部電場や泳動力の無視できる条件のもとで行なわれた。エーロゾルの粒径が6ミクロンから0.2ミクロンへと小さくなるにつれて捕捉率も減少した。しかし,0.2ミクロン付近で最小値に達し,さらに粒径が0.2ミクロンから0.1ミクロンへと小さくなると,逆に捕捉率は増加した。0.2ミクロンから6ミクロンまでのエーロゾル粒子に関しては,インターセプションが主な捕捉メカニズムと考えられた。雲粒付き雪結晶と雲粒付きでない雪結晶の捕捉率の差が小さいことにも明らかになった。今回の実験から得られた捕捉率は以前 Murakami et al. (1981,1983)により求められた観測値と良い一致を示した。
ISSN:0026-1165
2186-9057
DOI:10.2151/jmsj1965.63.1_119