インドシナ半島の降水日変化 2次元数値実験
2次元非静水圧雲解像モデルを用い、インドシナ半島の降水日変化について調べた。モデルの初期値は、インドシナ半島のほぼ中央である東経102.5度北緯17.5度における6月気候値の風速・気温・湿度の鉛直分布から作成した。 モデルは観測されている日変化の特徴をうまく再現することができた。モデルによる日変化は、1)タイ西部と中央部に位置する山地の風下側山麓において対流雲が夕方に励起され、2)それらがスコールラインに組織化されて夜間に東へ移動して行く、という現象の繰り返しで起こっている。このスコールラインの移動速度は5-10ms-1であった。また、風下山麓での対流励起機構やスコールラインの構造について検討...
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Published in | 気象集誌. 第2輯 Vol. 78; no. 4; pp. 461 - 475 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
公益社団法人 日本気象学会
2000
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ISSN | 0026-1165 2186-9057 |
DOI | 10.2151/jmsj1965.78.4_461 |
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Summary: | 2次元非静水圧雲解像モデルを用い、インドシナ半島の降水日変化について調べた。モデルの初期値は、インドシナ半島のほぼ中央である東経102.5度北緯17.5度における6月気候値の風速・気温・湿度の鉛直分布から作成した。 モデルは観測されている日変化の特徴をうまく再現することができた。モデルによる日変化は、1)タイ西部と中央部に位置する山地の風下側山麓において対流雲が夕方に励起され、2)それらがスコールラインに組織化されて夜間に東へ移動して行く、という現象の繰り返しで起こっている。このスコールラインの移動速度は5-10ms-1であった。また、風下山麓での対流励起機構やスコールラインの構造について検討し、中緯度での観測や数値実験との比較も行った。 これらの計算結果に基づき、太陽同期したスコールラインの発生と東への移動がインドシナ半島内陸部の降水日変化の夜の極大をもたらしている、と結論した。高分解能の対流活動指数を用いた対流雲活動の日変化の空間分布も解析し、数値実験を支持する結果を得た。 |
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ISSN: | 0026-1165 2186-9057 |
DOI: | 10.2151/jmsj1965.78.4_461 |