前立腺炎に対するgatifloxacinの臨床的検討
前立腺炎に対する8-メトキシキノロン系抗菌薬gatinoxacin (GFLX) の臨床効果, 治癒効果, 安全性ならびに前立腺液への移行性を検討した。UTI薬効評価基準 (第3版) 追補の患者条件に合致する前立腺炎患者にGFLX1回200mg, 1日2回の経口投与を14日間行い, 7, 14, 28日目に臨床効果を判定して薬効および治癒効果を評価した。また, 前立腺液への移行は, 健常成人にGFLX200mgを単回投与して2および4時間後に検討し, 次の成績を得た。 1. 前立腺圧出液中のGFLX濃度は, 投与後2時間で0.65~2.20μg/mL, 4時間で1.02~1.56μg/mLであ...
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Published in | 日本化学療法学会雑誌 Vol. 47; no. 12; pp. 843 - 851 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
25.12.1999
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Subjects | |
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ISSN | 1340-7007 1884-5886 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1995.47.843 |
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Summary: | 前立腺炎に対する8-メトキシキノロン系抗菌薬gatinoxacin (GFLX) の臨床効果, 治癒効果, 安全性ならびに前立腺液への移行性を検討した。UTI薬効評価基準 (第3版) 追補の患者条件に合致する前立腺炎患者にGFLX1回200mg, 1日2回の経口投与を14日間行い, 7, 14, 28日目に臨床効果を判定して薬効および治癒効果を評価した。また, 前立腺液への移行は, 健常成人にGFLX200mgを単回投与して2および4時間後に検討し, 次の成績を得た。 1. 前立腺圧出液中のGFLX濃度は, 投与後2時間で0.65~2.20μg/mL, 4時間で1.02~1.56μg/mLであり, 血清中濃度との比はそれぞれ0.98, 1.03であった。 2. 急性細菌性前立腺炎 (慢性細菌性前立腺炎の急性増悪を含む) に対する投与7日後の総合臨床効果は有効率100%(7/7例: 著効4例, 有効3例) であった。投与終了時 (14日後) の有効率は100%(6/6例) で休薬2週後 (28日後) において6例中6例に治癒効果が認められた。 3. 慢性細菌性前立腺炎に対する投与終了時の総合臨床効果は有効率100%(9/9例: 著効6例, 有効3例) であった。休薬2週後において7例中7例に治癒効果が認められた。 4. 副作用発現率は6.3%(2/32例) に, 臨床検査値異常発現率は9.7%(3/31例) に認められたが, いずれも重篤なものはなかった。 以上の成績から, GFLXは前立腺液への良好な移行性を有し, 前立腺炎の治療において安全かつ有効な薬剤で良好な治癒効果も認められた。 |
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ISSN: | 1340-7007 1884-5886 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1995.47.843 |