希土類元素鉱物中のセリウム及びガドリニウムの蛍光定量 ナローベースライン法の有効性

セリウム(III)及びガドリニウム(III)の鉱酸(塩酸,硫酸,過塩素酸,リン酸)溶液の蛍光特性を検討し,それぞれの2moldm-3塩酸溶液の蛍光{Ce(III):Ex255nm,Em350nm,φf:0.55,蛍光の感度指標(F.S.I.):1.59×10-3μm,τf:9.4μs,Gd(III):Ex275nm,Em310nm,φf:0.008,F.S.I.:1.40×10-6μm}を利用して,希土類元素鉱物(ガドリン石及びサマルスキー石)中のセリウム及びガドリニウムを定量する方法を確立した.鉱物を硫酸で溶解後,シュウ酸塩沈殿処理により得た酸化物を2moldm-3塩酸溶液に溶解することによ...

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Published in分析化学 Vol. 35; no. 8; pp. 713 - 719
Main Authors 高山, 祐一, 氏原, 正, 森重, 清利, 西川, 泰治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.08.1986
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Summary:セリウム(III)及びガドリニウム(III)の鉱酸(塩酸,硫酸,過塩素酸,リン酸)溶液の蛍光特性を検討し,それぞれの2moldm-3塩酸溶液の蛍光{Ce(III):Ex255nm,Em350nm,φf:0.55,蛍光の感度指標(F.S.I.):1.59×10-3μm,τf:9.4μs,Gd(III):Ex275nm,Em310nm,φf:0.008,F.S.I.:1.40×10-6μm}を利用して,希土類元素鉱物(ガドリン石及びサマルスキー石)中のセリウム及びガドリニウムを定量する方法を確立した.鉱物を硫酸で溶解後,シュウ酸塩沈殿処理により得た酸化物を2moldm-3塩酸溶液に溶解することによりセリウム(III)は直接に精度よく蛍光定量できる.一方,ガドリニウム(III)の蛍光はセリウム(III)の蛍光及び溶媒のラマン散乱光の影響を受けるが,ナローベースライン法及び標準添加法を適用することによりその影響を受けることなく迅速,簡便に定量できた.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.35.8_713