サブミクロン二次イオン質量分析装置を用いるチタン添加極低炭素鋼中の非金属介在物粒子のキャラクタリゼーション

鋼中非金属介在物の除去や形態制御による鋼の清浄化や機能化は重要な課題であり,介在物粒子の生成過程の解明と起源探索手法の確立が必要である.一方,一次ビームにGa+収束イオンビームを用いたサブミクロン二次イオン質量分析(SIMS)装置は,高い切断加工能力と0.1μm以下の高空間分解能を有し,微小領域並びに数μm程度の微粒子に対する定量分析・三次元元素分布解析に大変有効である.著者らは介在物粒子のキャラクタリゼーション手法の確立を目的として,Ti添加極低炭素鋼中の介在物粒子に対し以下の分析を行った.始めに,電子線マイクロアナリシス法により任意の粒子に対して粒別分析を行い,供試鋼中の介在物が三タイプに...

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Published in分析化学 Vol. 45; no. 6; pp. 485 - 492
Main Authors 柴田, 達也, 冨安, 文武乃進, 二瓶, 好正, 尾張, 真則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.06.1996
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.45.485

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Summary:鋼中非金属介在物の除去や形態制御による鋼の清浄化や機能化は重要な課題であり,介在物粒子の生成過程の解明と起源探索手法の確立が必要である.一方,一次ビームにGa+収束イオンビームを用いたサブミクロン二次イオン質量分析(SIMS)装置は,高い切断加工能力と0.1μm以下の高空間分解能を有し,微小領域並びに数μm程度の微粒子に対する定量分析・三次元元素分布解析に大変有効である.著者らは介在物粒子のキャラクタリゼーション手法の確立を目的として,Ti添加極低炭素鋼中の介在物粒子に対し以下の分析を行った.始めに,電子線マイクロアナリシス法により任意の粒子に対して粒別分析を行い,供試鋼中の介在物が三タイプに分類されることを明らかにした.次いで,各タイプの代表的な粒子に対してサブミクロンSIMS装置を用いて粒別定量分析を行い,粒内元素分布と任意断面の化学組成を得た.以上の分析結果から,供試鋼中に含まれる介在物粒子の生成過程に関する検討を行い重要な知見を得た.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.45.485