誘導結合プラズマ発光分析法による窯業原料,窯業製品中のリンの定量

誘導結合プラズマ発光分析法を用いて,窯業原料並びに窯業製品中の微量のリンを精度よく定量する方法の検討を行った.装置は,ジョパイボン-第二精工舎JY-38PIIであり,0.26nm/mmの高逆線分散の分光器をもつ.試料中のリンの含有率は,五酸化リンとして(0.01~0.5)wt%であり,試料1gを過塩素酸,フッ化水素酸分解を行って200ml,あるいは2000ml定容とした.用いた分析線は,P I 213.618nmである.共存する銅の近接スペクトル線Cu I 213.598nmによる分光干渉は,試料溶液中の銅濃度が5μg Cu/ml以下であるので,高分解能の分光器を用いて,取り除くことができた....

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Published in分析化学 Vol. 32; no. 5; pp. 291 - 297
Main Authors 内川, 浩, 古田, 力久, 三原, 康央
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.05.1983
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Summary:誘導結合プラズマ発光分析法を用いて,窯業原料並びに窯業製品中の微量のリンを精度よく定量する方法の検討を行った.装置は,ジョパイボン-第二精工舎JY-38PIIであり,0.26nm/mmの高逆線分散の分光器をもつ.試料中のリンの含有率は,五酸化リンとして(0.01~0.5)wt%であり,試料1gを過塩素酸,フッ化水素酸分解を行って200ml,あるいは2000ml定容とした.用いた分析線は,P I 213.618nmである.共存する銅の近接スペクトル線Cu I 213.598nmによる分光干渉は,試料溶液中の銅濃度が5μg Cu/ml以下であるので,高分解能の分光器を用いて,取り除くことができた.又,NOの分子スペクトルによる分光干渉は,アルゴンプラズマをアルゴンで包み込むことにより,消去する方法を見いだし,同時にバックグラウンドも低減,平滑化して,シグナル強度/バックグラウンド強度を改善した.本法による検出限界(3σ)は,0.027μgP/mlである.五酸化リン含有率が(0.011~0.370)wt%の実際試料{試料溶液中の濃度は(0.24~0.80)μgP/ml}についての変動係数は,(0.59~3.3)%であり,モリブデンブルー法並びに保証値とも良好な一致を示した.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.32.5_291