女子大学生とその母親の生活行動並びに食生活状況の実態調査

女性の望ましい日常生活のあり方を探る目的で, 名古屋市とその近郊に在住する女子大学生とその母親155組を対象とし, 1989年9月に, 健康及び食生活意識調査, 生活行動調査, 食物摂取量調査を実施し, 次の結果を得た。 1) 生活行動では学生のアルバイト者率は78%, 母親の有職者率は63%で, 生活活動強度は中等度に該当したが, 運動は, 意識と実際の行動ともにかなり低調であった。 2) 体型では, やせ傾向の学生は22%で, 自己体型を不適正に判断し, やせ志向が強かった。一方, 肥満傾向の母親は37%で, 自己体型を比較的適正に判断していた。 3) 健康状態では, 疲労感があるとする者...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 50; no. 6; pp. 325 - 336
Main Authors 木村, 友子, 加賀谷, みえ子, 福谷, 洋子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 1992
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Summary:女性の望ましい日常生活のあり方を探る目的で, 名古屋市とその近郊に在住する女子大学生とその母親155組を対象とし, 1989年9月に, 健康及び食生活意識調査, 生活行動調査, 食物摂取量調査を実施し, 次の結果を得た。 1) 生活行動では学生のアルバイト者率は78%, 母親の有職者率は63%で, 生活活動強度は中等度に該当したが, 運動は, 意識と実際の行動ともにかなり低調であった。 2) 体型では, やせ傾向の学生は22%で, 自己体型を不適正に判断し, やせ志向が強かった。一方, 肥満傾向の母親は37%で, 自己体型を比較的適正に判断していた。 3) 健康状態では, 疲労感があるとする者は学生, 母親ともに約90%に及び, 食欲が時々ない者は学生が47%で, 母親より28%多かった。 4) 食生活では, 学生は母親に比べて食事の洋風化, 加工食品利用, 外食の傾向が高く, 欠食者も多く, しかも食生活に満足していない者が42%存在し, 母親より8%多かった。 5) 生活活動では, 学生は生理的生活時間及び移動時間が母親より長く, 母親では家事的生活時間及び余暇時間が学生より長く, 両群間に相違を認めた (p<0.001)。 6) 栄養素等摂取状況は, 学生, 母親ともにエネルギー摂取量は所要量より低く, カルシウム, 鉄の不足が目立ち, 学生のほうが不足傾向にあった。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.50.325