離散写像による流体混合過程のモデル化 ニューラルネットワークによる組み合わせ最適化法を用いた写像構成法

速度ベクトルを時間的に積分することにより得られる流体粒子の位置変化から, 混合パターンの時間変化を計算することができる. 特に, 時間的に周期変動する流れ場では, 1周期間の流体粒子の位置変化を知るだけで, 周期の整数倍となる時刻における混合パターンが予測できる. 本論文では, 周期的に変化する層流場において混合過程を表現しうる新しい離散モデルを提示する. このモデルでは, 独立変数 (時間と空間) と従属変数 (濃度) の両方を離散化することにより, 連続的に変化する流体の運動を離散的に取り扱い, 混合パターンの時間変化を混合パターンを表すベクトルの回転運動として表現する. 1周期間の流体粒...

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Published in化学工学論文集 Vol. 26; no. 4; pp. 596 - 603
Main Authors 橘, 裕司, 井上, 義朗, 平田, 雄志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 化学工学会 10.07.2000
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Summary:速度ベクトルを時間的に積分することにより得られる流体粒子の位置変化から, 混合パターンの時間変化を計算することができる. 特に, 時間的に周期変動する流れ場では, 1周期間の流体粒子の位置変化を知るだけで, 周期の整数倍となる時刻における混合パターンが予測できる. 本論文では, 周期的に変化する層流場において混合過程を表現しうる新しい離散モデルを提示する. このモデルでは, 独立変数 (時間と空間) と従属変数 (濃度) の両方を離散化することにより, 連続的に変化する流体の運動を離散的に取り扱い, 混合パターンの時間変化を混合パターンを表すベクトルの回転運動として表現する. 1周期間の流体粒子の位置変化を精度よく表現するために, ニューラルネットワーク理論に基づく組み合わせ最適化法とドメイン縮小法を組み合わせた新しいアルゴリズムを開発した. これにより, 層流場における混合パターンの時間変化を, 高精度かつ高速に計算することが可能になった.
ISSN:0386-216X
1349-9203
DOI:10.1252/kakoronbunshu.26.596