同位体希釈/ガスクロマトグラフィー/質量分析法による水質及び底質中の有機スズ化合物の一斉分析

水質,底質中のブチルスズ及びフェニルスズのモノ,ジ及びトリ体をテトラエチルホウ酸ナトリウム(NaBEt4)で誘導体化し,同位体希釈/GC/MS法により定量する方法を開発した.水質は,対象物質の重水素ラベル化体を添加後,NaBEt4でエチル化した。次に,ヘキサンで抽出し,脱水・濃縮後,GC/MS-SIM(選択イオン検出法)で測定した.2.0~25ng/lでの添加回収実験結果は,回収率が104%,RSDは3.7%であった.底質は,ラベル化体を添加後,1M塩酸-メタノール/酢酸エチル(1:1)で抽出した。抽出液を濃縮して緩衝液を加え,以下水試料と同様に操作後,フロリジルカラムクリーンアップしてGC/...

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Published in分析化学 Vol. 48; no. 6; pp. 555 - 561
Main Authors 岩村, 幸美, 鈴木, 學, 門上, 希和夫, 陣矢, 大助, 花田, 喜文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.06.1999
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.48.555

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Summary:水質,底質中のブチルスズ及びフェニルスズのモノ,ジ及びトリ体をテトラエチルホウ酸ナトリウム(NaBEt4)で誘導体化し,同位体希釈/GC/MS法により定量する方法を開発した.水質は,対象物質の重水素ラベル化体を添加後,NaBEt4でエチル化した。次に,ヘキサンで抽出し,脱水・濃縮後,GC/MS-SIM(選択イオン検出法)で測定した.2.0~25ng/lでの添加回収実験結果は,回収率が104%,RSDは3.7%であった.底質は,ラベル化体を添加後,1M塩酸-メタノール/酢酸エチル(1:1)で抽出した。抽出液を濃縮して緩衝液を加え,以下水試料と同様に操作後,フロリジルカラムクリーンアップしてGC/MS-SIMで測定した.5.0~100μg/kgでの添加回収結果は,回収率が98.1%,RSDは9.8%であった.水質の検出限界は,従来法より1けた向上し0.16~3.5ng/lであった.また,底質の検出限界は0.48~11μg/kgであった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.48.555