大気浮遊じん中の微量ヨウ素定量法

アルカリ溶液中でヨウ素を過マンガン酸カリウムでヨウ素酸に酸化後,酸性として過剰の過マンガン酸カリウムを亜硝酸で還元除去する.続いて,この亜硝酸を尿素で分解除去し,試薬のヨウ化カリウムを加えて,生じたヨウ素酸でヨウ素イオンを酸化してヨウ素とし,試料溶液中にもともと存在したヨウ素量に対し6倍量のヨウ素を生成させる.このヨウ素でロイコクリスタルバイオレットを酸化発色させ,その吸光度の測定から試料中のヨウ素を定量する.本法によるヨウ素の定量限界は0.5μgであり,大気浮遊じんに対し,この方法を応用した結果,その回収率は82.8%であった.又東京における大気浮遊じんについて,ヨウ素含量を求めた結果,10...

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Published in分析化学 Vol. 35; no. 7; pp. 622 - 625
Main Authors 亀谷, 勝昭, 松村, 年郎, 桜井, 正明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.07.1986
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Summary:アルカリ溶液中でヨウ素を過マンガン酸カリウムでヨウ素酸に酸化後,酸性として過剰の過マンガン酸カリウムを亜硝酸で還元除去する.続いて,この亜硝酸を尿素で分解除去し,試薬のヨウ化カリウムを加えて,生じたヨウ素酸でヨウ素イオンを酸化してヨウ素とし,試料溶液中にもともと存在したヨウ素量に対し6倍量のヨウ素を生成させる.このヨウ素でロイコクリスタルバイオレットを酸化発色させ,その吸光度の測定から試料中のヨウ素を定量する.本法によるヨウ素の定量限界は0.5μgであり,大気浮遊じんに対し,この方法を応用した結果,その回収率は82.8%であった.又東京における大気浮遊じんについて,ヨウ素含量を求めた結果,1000m3当たりの浮遊じんに平均9.2μgのヨウ素が含まれることが明らかとなった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.35.7_622