相模平野における冬の海陸風について 2 三次元モデル

冬季に相模平野にて、昼間でさえ海の表面温度が陸上より高いのにかかわらず、一見海陸風のような風系を生ずる。本研究は冬の海陸風と地形との関係を三次元モデルを用いて数値実験にて求めたものである。 相模平野は西に伊豆半島、東に東京湾と房総半島がある。先ず湾と半島の影響を平坦モデルを用いて調べた。その結果湾や半島はすぐ近くでない限り冬の海陸風に大きな影響をあたえないことがわかった。次に半島に丘陵がありそれが北に延びている場合をとった。計算の結果、麓から30kmも離れた地衡風の風上および風下の地点でさえ大きい影響を与えることを知った。 第三の実験は関東南部の地形を考えたものである。平坦の場合、関東山地のみ...

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Published in気象集誌. 第2輯 Vol. 66; no. 1; pp. 55 - 63
Main Authors 大西, 外史, 板東, 聡
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本気象学会 1988
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ISSN0026-1165
2186-9057
DOI10.2151/jmsj1965.66.1_55

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Summary:冬季に相模平野にて、昼間でさえ海の表面温度が陸上より高いのにかかわらず、一見海陸風のような風系を生ずる。本研究は冬の海陸風と地形との関係を三次元モデルを用いて数値実験にて求めたものである。 相模平野は西に伊豆半島、東に東京湾と房総半島がある。先ず湾と半島の影響を平坦モデルを用いて調べた。その結果湾や半島はすぐ近くでない限り冬の海陸風に大きな影響をあたえないことがわかった。次に半島に丘陵がありそれが北に延びている場合をとった。計算の結果、麓から30kmも離れた地衡風の風上および風下の地点でさえ大きい影響を与えることを知った。 第三の実験は関東南部の地形を考えたものである。平坦の場合、関東山地のみの場合、房総丘陵のみの場合および関東山地と房総丘陵共にある場合の四ケのモデルで計算した。相模平野の海陸風は、関東山地の影響を強くうけ、房総丘陵の影響を弱いながら受け、東京湾の影響を殆ど受けないことと、実験結果は小川の述べた実測と比べ二、三の点で異なるが、二次元モデルより実測に近いことが判った。
ISSN:0026-1165
2186-9057
DOI:10.2151/jmsj1965.66.1_55