マラカイトグリーンによるインジウムの吸光光度定量

濃度の異なる臭化水素酸溶液(1~6N)中のインジウムの紫外部吸収スペクトルを測定したところ,1N 臭化水素酸溶液では233mμに極大吸収を示し,インジウム0~30μgがベールの法則を満足することを認めた. インジウムの1N臭化水素酸溶液と,トリフェニルメタンアミノ誘導体染料との反応に基づく吸光光度定量条件を検討した.抽出溶媒にはベンゼンを用いたが,染料はマラカイトグリーンが最もよいことを確かめた.この呈色化合物のベンゼン溶液は635mμに極大吸収が認められ,インジウムの0~65μgの定量ができる.染料は1N臭化水素酸溶液として用いたが,染料の添加量の増加とともに吸光度が高くなり平衡状態が認めら...

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Published in分析化学 Vol. 13; no. 8; pp. 763 - 767
Main Authors 船田, 俊佑, 松尾, 力, 小出, 博行, 鈴木, 幹夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.08.1964
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.13.763

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Summary:濃度の異なる臭化水素酸溶液(1~6N)中のインジウムの紫外部吸収スペクトルを測定したところ,1N 臭化水素酸溶液では233mμに極大吸収を示し,インジウム0~30μgがベールの法則を満足することを認めた. インジウムの1N臭化水素酸溶液と,トリフェニルメタンアミノ誘導体染料との反応に基づく吸光光度定量条件を検討した.抽出溶媒にはベンゼンを用いたが,染料はマラカイトグリーンが最もよいことを確かめた.この呈色化合物のベンゼン溶液は635mμに極大吸収が認められ,インジウムの0~65μgの定量ができる.染料は1N臭化水素酸溶液として用いたが,染料の添加量の増加とともに吸光度が高くなり平衡状態が認められない.よって,検液の全量,染料濃度とその添加量,ベンゼンの使用量は常に一定に保たなければならない.鉄(IIおよびIII)は著しく妨害する.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.13.763