ポーラログラフ法によるハイドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)の定量

MEHQを亜硝酸によりニトロソ化したのち,ニトロソ基のアミンへの還元を利用してポーラログラフ法により定量した.ニトロソ化物のポーラログラムは,アルカリ性では二段波を示すが,これはニトロソ化反応のとき,一部ジニトロソ化が起ったためではないかと考えている.第1波と第2波の半波電位の差はPHが高いほど大きくなった.第2波の波高はpH9.0~12.4で一定であり,ニトロソ化反応における酢酸量,温度などの影響をうけなかった.さらにpH12で10-5~10-4MのMEHQの濃度に比例した. ハイドロキノン(HQ)の共存は10-4M MEHQに対して5倍量まで影響しなかった. ニトロソ化物はpH2~4におい...

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Published in分析化学 Vol. 13; no. 3; pp. 245 - 249
Main Authors 横内, 成人, 田村, 均
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.03.1964
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Summary:MEHQを亜硝酸によりニトロソ化したのち,ニトロソ基のアミンへの還元を利用してポーラログラフ法により定量した.ニトロソ化物のポーラログラムは,アルカリ性では二段波を示すが,これはニトロソ化反応のとき,一部ジニトロソ化が起ったためではないかと考えている.第1波と第2波の半波電位の差はPHが高いほど大きくなった.第2波の波高はpH9.0~12.4で一定であり,ニトロソ化反応における酢酸量,温度などの影響をうけなかった.さらにpH12で10-5~10-4MのMEHQの濃度に比例した. ハイドロキノン(HQ)の共存は10-4M MEHQに対して5倍量まで影響しなかった. ニトロソ化物はpH2~4において定量的にエーテル抽出されることを見いだし,本抽出法を併用すれば,10-6MのMEHQを-6%以内の誤差で定量できることがわかった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.13.245