放射性鉄59Feを用いる血清総鉄結合能測定に関する検討

血清を弱酸性液中で鉄を遊離せしめ, レジンにこれを吸着して除去したのち, 59Fe標識鉄を一定量加えて, 血清総鉄結合能を測定する, 第一ラジオアイソトープ研究所のTIBC Kitについて検討した。 クエン酸にて血清中の鉄を遊離してレジンに吸着除去する脱鉄試薬は, きわめて安定した鉄除去能を示し, 脱鉄率は97~99%であった。この操作により血清トランスフェリンは変性することなく, ついで加える59Fe標識鉄とよく結合し, ほぼ正確なTIBC値を測定し得た。 この値は免疫法によるトランスフェリン換算値, また炭酸マグネシウムを用いる化学法ともよく一致した。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inRADIOISOTOPES Vol. 22; no. 9; pp. 503 - 508
Main Authors 刈米, 重夫, 佐藤, 道明, 藤森, 克彦, 三木, 昌宏, 内田, 立身, 脇坂, 行一, 中島, 言子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本アイソトープ協会 15.09.1973
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:血清を弱酸性液中で鉄を遊離せしめ, レジンにこれを吸着して除去したのち, 59Fe標識鉄を一定量加えて, 血清総鉄結合能を測定する, 第一ラジオアイソトープ研究所のTIBC Kitについて検討した。 クエン酸にて血清中の鉄を遊離してレジンに吸着除去する脱鉄試薬は, きわめて安定した鉄除去能を示し, 脱鉄率は97~99%であった。この操作により血清トランスフェリンは変性することなく, ついで加える59Fe標識鉄とよく結合し, ほぼ正確なTIBC値を測定し得た。 この値は免疫法によるトランスフェリン換算値, また炭酸マグネシウムを用いる化学法ともよく一致した。
ISSN:0033-8303
1884-4111
DOI:10.3769/radioisotopes.22.9_503