デオキシアデノシンを固定化したシリカゲルを用いるオリゴヌクレオチドの高速液体クロマトグラフィー分離

核酸成分分離用の新規なHPLC用充てん剤としてデオキシアデノシンを固定化したシリカゲルを合成し,得られた充てん剤を用いてオリゴヌクレオチドの塩基特異的分離を試みた.デオキシテトラヌクレオチドの分離において,固定化リガンドと相補的な核酸塩基を含むpd(T)4が他のデオキシテトラヌクレオチドから特異的に分離された.この系においては,測定温度の低下に伴い溶質-リガンド間の相互作用が増大し,相補的塩基を含む溶質の分離係数に大きな変化を生じた.又,シリカ結合相-リガンド間に親水性部位をもつスペーサーを有する充てん剤は,親水性部位をもたない充てん剤に比べてその相補的塩基の認識性がかなり高くなるという結果を...

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Published in分析化学 Vol. 42; no. 2; pp. 99 - 105
Main Authors 和田, 健彦, 稲木, 良昭, 王, 紅, 竹本, 喜一, 望月, 衛子, 松川, 賢治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.02.1993
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.42.2_99

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Summary:核酸成分分離用の新規なHPLC用充てん剤としてデオキシアデノシンを固定化したシリカゲルを合成し,得られた充てん剤を用いてオリゴヌクレオチドの塩基特異的分離を試みた.デオキシテトラヌクレオチドの分離において,固定化リガンドと相補的な核酸塩基を含むpd(T)4が他のデオキシテトラヌクレオチドから特異的に分離された.この系においては,測定温度の低下に伴い溶質-リガンド間の相互作用が増大し,相補的塩基を含む溶質の分離係数に大きな変化を生じた.又,シリカ結合相-リガンド間に親水性部位をもつスペーサーを有する充てん剤は,親水性部位をもたない充てん剤に比べてその相補的塩基の認識性がかなり高くなるという結果を得た.更に,固定化リガンドの糖の保護基を脱保護した充てん剤よりも脱保護しない充てん剤のほうが比較的良好な分離特性を示した.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.42.2_99