架橋アガロースゲルのキサントゲン酸誘導体を用いる金属イオンの捕集
架橋アガロースゲル(セファローズCL-6B)からキサントゲン酸基をもつと見なされる誘導体(X-Sepharose)を作製した。1×10-5 mol 1-1の金属溶液50 mlを0.1gのX-Sepharoseと室温で30分間かき混ぜるとき,各金属がほぼ完全に捕集されるpH域は水銀(II)1.1~10.2,銅(II)1.9~10.1,鉛(II)4.2~5.4,カドミウム(II)5.1~9.7,亜鉛(II)6.1~8.2,ニッケル(II)6.1~9.2である。硝酸ナトリウム,塩化ナトリウム及び臭化ナトリウムが1mol 1-1の濃度で共存した場合には水銀,銅以外の4金属の捕集は妨げられ,EDTAはこ...
Saved in:
Published in | 分析化学 Vol. 34; no. 1; pp. 48 - 52 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本分析化学会
01.01.1985
|
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 架橋アガロースゲル(セファローズCL-6B)からキサントゲン酸基をもつと見なされる誘導体(X-Sepharose)を作製した。1×10-5 mol 1-1の金属溶液50 mlを0.1gのX-Sepharoseと室温で30分間かき混ぜるとき,各金属がほぼ完全に捕集されるpH域は水銀(II)1.1~10.2,銅(II)1.9~10.1,鉛(II)4.2~5.4,カドミウム(II)5.1~9.7,亜鉛(II)6.1~8.2,ニッケル(II)6.1~9.2である。硝酸ナトリウム,塩化ナトリウム及び臭化ナトリウムが1mol 1-1の濃度で共存した場合には水銀,銅以外の4金属の捕集は妨げられ,EDTAはこれら6金属のすべてについて,その捕集に影響する。既報のX-Sephadex(セファデックスのキサントゲン酸誘導体), X-TYP(トヨパールのキサントゲン酸誘導体)とX-Sepharoseのうち,水銀と銅に対する捕集能はX-Sephadexが最も大きく,X-TYPが最も小さい。X-Sepharoseが酸に溶解することを利用して1×10-8mol 1-1の金属試料溶液500 mlからバッチ法及びカラム法により水銀以外の5金属を捕集し,回収できる。 |
---|---|
ISSN: | 0525-1931 |
DOI: | 10.2116/bunsekikagaku.34.48 |