肩腱板修復術後にComplex Regional Pain Syndrome(CRPS) type Iを生じた3例
腱板断裂術後97例中, 3例に複合性局所疼痛症候群(以下CRPS) type Iが発症した. CRPS type Iと診断された後, 星状神経節ブロックを施行した. ブロック後, 2例は疼痛改善したが, 1例は疼痛が残存した. 術後のCRPSは早期診断, 早期治療が有用と考えられた. 「はじめに」複合性局所疼痛症候群Complex Regional Pain Syndrome(以下CRPS)は神経損傷や骨・筋肉等の組織損傷がきっかけとなって疼痛を中心として感覚神経, 運動神経, 自律神経, および免疫系の病的変化が生じる疼痛症候群である. 神経損傷が明らかでないものをCRPS type I,...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 59; no. 2; pp. 323 - 327 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.2010
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 腱板断裂術後97例中, 3例に複合性局所疼痛症候群(以下CRPS) type Iが発症した. CRPS type Iと診断された後, 星状神経節ブロックを施行した. ブロック後, 2例は疼痛改善したが, 1例は疼痛が残存した. 術後のCRPSは早期診断, 早期治療が有用と考えられた. 「はじめに」複合性局所疼痛症候群Complex Regional Pain Syndrome(以下CRPS)は神経損傷や骨・筋肉等の組織損傷がきっかけとなって疼痛を中心として感覚神経, 運動神経, 自律神経, および免疫系の病的変化が生じる疼痛症候群である. 神経損傷が明らかでないものをCRPS type I, 明らかなものをCRPS type IIと定義している. 肩腱板修復術後にCRPS type Iを生じた3例を経験したので報告する. 「症例」平成17年4月から平成19年7月までに腱板修復術を97例に施行し, 3例にCRPS type Iが発症した. 2例は棘下筋移行術後, 1例は関節鏡視下腱板修復術後に発症した. 【症例1】81歳, 男性. 転倒し右肩を打撲し受傷した. |
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ISSN: | 0037-1033 |