外リンパ瘻手術例の聴平衡機能に関する検討
(目的) 外リンパ瘻の手術適応についてはいまだ一定の見解がなく, 手術による治療成績についての報告も少ない. 本研究の目的は, その適応, 成績について明らかにすることである. (方法と対象) 1995年3月から1999年3月までの4年間に, 兵庫医科大学耳鼻咽喉科およびその関連病院において外科的に外リンパの漏出が確認された15例 (男性11例, 女性4例, 年齢分布: 14歳~79歳, 平均46.7歳) で, 患側は右3例, 左12例である. 術前と術後6カ月以上経過したのちの症状および聴力, 平衡機能検査所見について検討した. (結果) 全例に難聴を認めた. 耳鳴は12例 (流水音耳鳴は5...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 104; no. 12; pp. 1135 - 1142 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.12.2001
日本耳鼻咽喉科学会 |
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Summary: | (目的) 外リンパ瘻の手術適応についてはいまだ一定の見解がなく, 手術による治療成績についての報告も少ない. 本研究の目的は, その適応, 成績について明らかにすることである. (方法と対象) 1995年3月から1999年3月までの4年間に, 兵庫医科大学耳鼻咽喉科およびその関連病院において外科的に外リンパの漏出が確認された15例 (男性11例, 女性4例, 年齢分布: 14歳~79歳, 平均46.7歳) で, 患側は右3例, 左12例である. 術前と術後6カ月以上経過したのちの症状および聴力, 平衡機能検査所見について検討した. (結果) 全例に難聴を認めた. 耳鳴は12例 (流水音耳鳴は5例) に, pop音は4例に見られた. 回転性めまいは3例, 非回転性めまいは6例に認められた. 漏出部位は, 卵円窓が9例, 正円窓が4例, その両方が1例, fissula ante fenestramが1例であった. 術後の会話域聴力が10dB以上改善したものは10例 (67%) あった. 発症後14日以内に手術を行ったもの, 術前に聴力が残存していたものは, 聴力予後が良好であった. 術後のめまい感は軽減する傾向があったが, 術前にCP, 麻痺性眼振を認めたものは術後もふらつきが残ることが多かった. (結論) 外リンパ瘻の手術時期に関して, 聴力が保存的治療で改善の見られない場合やめまい感が存在する場合には14日以内に, また進行性難聴の場合は直ちに手術を実施すべきと考えられた. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.104.1135 |