各種臨床分離株のcefepimeに対する感受性サーベイランス

Cefepime (CFPM) 市販後調査のために3回にわたり菌株を収集し, 各種臨床分離株のCFPMに対する感受性推移を検討した。被験菌は第1回調査として1996年5月より7月までに臨床材料より分離された20菌種596株, 第2回調査として1998年5月より9月までに分離された同20菌種523株と第3回調査として2000年1月より2001年1月に分離された同20菌種551株である。第3回調査に分離された各種被験菌のCFPMに対する感受性は, 第1回および第20中11の調査時に分離された被験菌のそれとほぼ同様な傾向を示した。しかし, Streptococcus pneumoniae, Haem...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 50; no. 2; pp. 108 - 117
Main Authors 草野, 展周, 荒明, 美奈子, 井上, 松久, 木下, 承晧, 平田, 泰良, 秋沢, 宏次, 斎藤, 厚, 橋本, 弘司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 25.02.2002
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.50.108

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Summary:Cefepime (CFPM) 市販後調査のために3回にわたり菌株を収集し, 各種臨床分離株のCFPMに対する感受性推移を検討した。被験菌は第1回調査として1996年5月より7月までに臨床材料より分離された20菌種596株, 第2回調査として1998年5月より9月までに分離された同20菌種523株と第3回調査として2000年1月より2001年1月に分離された同20菌種551株である。第3回調査に分離された各種被験菌のCFPMに対する感受性は, 第1回および第20中11の調査時に分離された被験菌のそれとほぼ同様な傾向を示した。しかし, Streptococcus pneumoniae, Haemophilus influenzaeのMIC90値は第1, 2回調査に比べ, 第3回収集菌でやや高い傾向にあった,) グラム陰性菌のCFPMに対する感受性は第1回, 2回, 3回の調査でほぼ同様で良好であったが, Escherichia coliから第2回調査に2株, 第3回調査にKlebsiella pneumoniaeから1株ceftazidime (CAZ) のMICが100μg/mLの株が分離された。Pseuaomonas aeruginosaに対するCFPMの抗菌力はcefzopran (CZOP), CAZ, imipenem/cilastatin (IPM/CS) とほぼ同程度であり, 過去3回の調査で変動は見られなかった。Serratia marcescensでは第1回収集株のなかに, IPM/CSを含むすべての薬剤に対して100μg/mL以上の菌株が1株分離された。以上, 3回にわたる調査で収集した各種菌株に対する注射川β-ラクタム系薬の抗菌力は, 大きな変動が認められなかった。特に, CFPMはグラム陽性菌から陰性菌まで幅広い抗菌スペクトラムを有し, 優れた抗菌力を示し, 各菌種に対する発売後の感受骨の低下は少なく, 耐性化しにくい薬剤と考えられた。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.50.108