Eruptive Pilomatricomaの1例と最近5年間に経験した34例のPilomatricomaの統計的観察
71歳, 男性。初診2週間前より左頬部小結節に気付いた。自覚症状なく放置していたところ急速に増大し当科を受診した。初診時, 左頬部に約1cmの半球状に隆起した淡紅色結節が認められ, 毛包系腫瘍を疑い切除した。病理組織学的に好塩基細胞と陰影細胞からなる石灰化上皮腫の基本的構造がみられた。しかし腫瘍細胞内には核分裂像が多数みられ, 臨床症状も急速な増大がみられたことから, 典型的な石灰化上皮腫ではなく, いわゆるeruptive pilomatricomaと診断した。琉球大学皮膚科学教室では1987年から1991年までの5カ年に34例のpilomatricomaがみられたがeruptive pil...
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Published in | 皮膚 Vol. 35; no. 2; pp. 287 - 291 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
日本皮膚科学会大阪地方会
1993
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0018-1390 1884-541X |
DOI | 10.11340/skinresearch1959.35.287 |
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Summary: | 71歳, 男性。初診2週間前より左頬部小結節に気付いた。自覚症状なく放置していたところ急速に増大し当科を受診した。初診時, 左頬部に約1cmの半球状に隆起した淡紅色結節が認められ, 毛包系腫瘍を疑い切除した。病理組織学的に好塩基細胞と陰影細胞からなる石灰化上皮腫の基本的構造がみられた。しかし腫瘍細胞内には核分裂像が多数みられ, 臨床症状も急速な増大がみられたことから, 典型的な石灰化上皮腫ではなく, いわゆるeruptive pilomatricomaと診断した。琉球大学皮膚科学教室では1987年から1991年までの5カ年に34例のpilomatricomaがみられたがeruptive pilomatricomaのごとく2週間で急激に増大した症例は自験例以外にはみられなかった。 |
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ISSN: | 0018-1390 1884-541X |
DOI: | 10.11340/skinresearch1959.35.287 |