Pseudomonas aeruginosaに対する各種ニューキノロン系抗菌薬のin vitroおよびin vivoにおける抗菌効果の比較検討

Pseudomonas aeruginosaに対する各種ニューキノロン系抗菌薬 (NQs) のin vitro抗菌活性およびin vivo治療効果について検討し, 以下の結果を得た。 1) 1993年1月~12月の間に琉球大学医学部附属病院検査部にて各種臨床材料より分離されたP.aeruginosa (100株) に対するofloxacin (OFLX), ciprofloxacin (CPFX), tosufloxacin (TFLX), sparfloxacin (SPFX), levofloxacin (LWX) および新規抗菌薬であるNM 441 (活性本体: NM 394) のMIC...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 44; no. 7; pp. 493 - 498
Main Authors 草野, 展周, 新里, 敬, 仲宗根, 勇, 斎藤, 厚, 田場, 秀樹, 當山, 真人, 豊田, 和正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 25.07.1996
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.44.493

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Summary:Pseudomonas aeruginosaに対する各種ニューキノロン系抗菌薬 (NQs) のin vitro抗菌活性およびin vivo治療効果について検討し, 以下の結果を得た。 1) 1993年1月~12月の間に琉球大学医学部附属病院検査部にて各種臨床材料より分離されたP.aeruginosa (100株) に対するofloxacin (OFLX), ciprofloxacin (CPFX), tosufloxacin (TFLX), sparfloxacin (SPFX), levofloxacin (LWX) および新規抗菌薬であるNM 441 (活性本体: NM 394) のMICを微量液体希釈法により測定した。検討薬剤のなかでは, CPFX, TFLX, およびNM 441のMIC50がともに0.25μg/mlであり, もっとも優れた抗菌活性を示した。OFLXのMIC50は2.0μg/mlであった。またOFLX耐性株のうち50%の株はNM 441に対して感受性であった。 2) 正常マウスを用いたP.aeruginosa呼吸器感染モデルに対する治療実験の結果, 各NQs問に明らかな治療効果の差は認められず, 治療群と未治療群との問にも生存率の差は認められなかった。 3) Cyclophosphamide処理マウスを用いたP.aeruginosa呼吸器感染モデルに対する治療実験の結果, LVFX治療群に比較してNM 441治療群が有意差をもって優れた治療効果を示した。 4) In vitroではCPFXとNM 441は同等の抗菌活性を示したものの, 治療成績においてNM 441がCPFXを上回る成績を示したことより, 両薬剤の組織移行性の差異が影響をおよぼした可能性が考えられた。 以上, in vitroおよびin vivoの成績より, P.aeruginosa感染症の治療に際して, OFLXあるいはLVFXに対する感受性の低下した株に対しては, CPFXやNM 441が優れた治療効果を期待しうる選択薬剤になるものと考えられた。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.44.493