陥凹病変を呈した隆起性皮膚線維肉腫 自験例と本邦報告例の検討

25歳女性の左前胸部に生じた陥凹病変を呈した隆起性皮膚線維肉腫の1例を報告するとともに, 自験例を含めた本邦報告例267例について統計的観察を行なった。その結果, 1) 発生部位は38.6%が胸腹部である, 2) 初発年令は男女とも20-30代に多い, 3) 男女比は1.2: 1と男性にやや多い, 4) 局所再発は267例中116例 (43.4%) にみられそのうち45例 (16.9%) は1年以内の再発である, 5) 遠隔またはリンパ節転移は16例 (6%) にみられる, 6) 根治的には初回手術時の広範囲切除が最も重要である, 7) 本邦では陥凹病変を呈したものは自験例のみである, などが...

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Published in皮膚 Vol. 28; no. 4; pp. 638 - 643
Main Authors 石倉, 直敬, 安田, 幸雄, 清, 佳浩, 小林, 博人, 木村, 敦子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本皮膚科学会大阪地方会 1986
Subjects
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ISSN0018-1390
1884-541X
DOI10.11340/skinresearch1959.28.638

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Summary:25歳女性の左前胸部に生じた陥凹病変を呈した隆起性皮膚線維肉腫の1例を報告するとともに, 自験例を含めた本邦報告例267例について統計的観察を行なった。その結果, 1) 発生部位は38.6%が胸腹部である, 2) 初発年令は男女とも20-30代に多い, 3) 男女比は1.2: 1と男性にやや多い, 4) 局所再発は267例中116例 (43.4%) にみられそのうち45例 (16.9%) は1年以内の再発である, 5) 遠隔またはリンパ節転移は16例 (6%) にみられる, 6) 根治的には初回手術時の広範囲切除が最も重要である, 7) 本邦では陥凹病変を呈したものは自験例のみである, などが示された。
ISSN:0018-1390
1884-541X
DOI:10.11340/skinresearch1959.28.638