背部に生じた壊死性筋膜炎の1例

• Published in: 皮膚 Vol. 42; no. 3; pp. 360 - 363
• Main Authors: 松下, 明子, 木村, 太紀, 本田, 隆司, 山本, 有祐, 水野, 元子, 比留, 間政太郎, 小川, 秀興
• Format: Journal Article
• Language: English
• Published: 日本皮膚科学会大阪地方会 2000
• ISSN: 0018-1390; 1884-541X
• DOI: 10.11340/skinresearch1959.42.360

一般に, 壊死性筋膜炎は四肢, 啓部などに好発するが, 今回我々は背部に生じた本症のまれな1例を治療する機会を得たので報告した。41歳, 男性。上背部に硬結を伴う浸潤性紅斑が出現し, 中心部にびらん, 痂皮, 膿汁, 壊死を認めた。病理組織学的所見では, 皮下組織, 筋膜および筋組織にも好中球を中心とする炎症性細胞浸潤を認め, 原因菌は黄色ブドウ球菌であった。入院時血糖値の上昇を認めた。緊急のデブリードマンと2回の分層植皮を行い治癒した。過去10年間の本邦報告例を集計し, あわせて若干の考察を行った。