日本語力向上のための初年次教育の実践―日本語教員と看護科教員の協働による下位クラスの学生に対する「文章表現」の取り組み

「概要」川崎医療短期大学では, 初年次教育として日本語に関する講義である「文章表現」を開講している. 日本語力については, 大学のユニバーサル化に伴い低下していることが問題となっている. この対策として, 入学時に国語のプレースメントテストを実施し, 日本語力の測定を行っている. この結果にもとづき, 看護科で行われている習熟度別クラス編成による「文章表現」の講義において, 効果的な教育を行うことを目的として, 下位クラスにおいて, 日本語教員と看護科教員の協働による講義を実施した. 講義内容は, 文章力を向上させるためのものであるが, この中に国語のリメディアルの要素も取り入れ, 国語の基礎...

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Published inKAWASAKI IGAKKAI SHI LIBERAL ARTS & SCIENCES no. 38; pp. 25 - 32
Main Authors 橋本美香, 新見明子, 黒田裕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 31.12.2012
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ISSN0386-5398

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Summary:「概要」川崎医療短期大学では, 初年次教育として日本語に関する講義である「文章表現」を開講している. 日本語力については, 大学のユニバーサル化に伴い低下していることが問題となっている. この対策として, 入学時に国語のプレースメントテストを実施し, 日本語力の測定を行っている. この結果にもとづき, 看護科で行われている習熟度別クラス編成による「文章表現」の講義において, 効果的な教育を行うことを目的として, 下位クラスにおいて, 日本語教員と看護科教員の協働による講義を実施した. 講義内容は, 文章力を向上させるためのものであるが, この中に国語のリメディアルの要素も取り入れ, 国語の基礎学力の向上も試みた. この結果, 専門教育やキャリア教育と「文章表現」で学ぶ日本語力が連動していることを認識することができ, 積極的に取り組むことができることができた. さらに, 日本語力の低い学生においても大学での学習に必要な日本語力を養成できた. 以上のことから, 日本語教員と看護科教員の協働による下位クラスの学生に対する講義は, 有効であることが明らかになった.
ISSN:0386-5398