有害事象自発報告データベース (JADER及びFAERS) を用いた抗がん剤と手足症候群の検討
「緒言」 手足症候群は, がん化学療法施行時に起こる皮膚障害の1つとされ, 手掌や足底等の四肢末端部に発生する紅斑, 膨腫, 感覚異常, 爪の変形, 及び色素沈着等の一連の有害事象に対して付けられた名称である. 手足症候群の症状には, 痛みを伴わない軽度なものから, 強い痛みにより日常生活に支障をきたす程重篤化するものがあるが, 現在のところ確立した予防法及び治療法が存在せず, 確実な処置は原因薬剤の休薬である. 手足症候群を起こす可能性のある代表的な抗がん剤として, フッ化ピリミジン系薬剤, キナーゼ阻害薬等が知られているが, その詳しい発症機序は不明である. したがって, がん化学療法施行...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 136; no. 3; pp. 507 - 515 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本薬学会
01.03.2016
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Summary: | 「緒言」 手足症候群は, がん化学療法施行時に起こる皮膚障害の1つとされ, 手掌や足底等の四肢末端部に発生する紅斑, 膨腫, 感覚異常, 爪の変形, 及び色素沈着等の一連の有害事象に対して付けられた名称である. 手足症候群の症状には, 痛みを伴わない軽度なものから, 強い痛みにより日常生活に支障をきたす程重篤化するものがあるが, 現在のところ確立した予防法及び治療法が存在せず, 確実な処置は原因薬剤の休薬である. 手足症候群を起こす可能性のある代表的な抗がん剤として, フッ化ピリミジン系薬剤, キナーゼ阻害薬等が知られているが, その詳しい発症機序は不明である. したがって, がん化学療法施行時には手足等の皮膚に起こる異常を早期に発見し, 迅速かつ適切な対応をすることが重要である. フッ化ピリミジン系薬剤及びキナーゼ阻害薬において手足症候群の初期皮膚所見及び症状が異なることが知られており, またその発現時期は抗がん剤毎に異なるとされている. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |