母親が認識した携帯用アドレナリン自己注射薬を所持する重症食物アレルギー児の幼児期における心理社会的問題と実施した対応策

「要旨」 母親が認識した携帯用アドレナリン自己注射薬を所持する重症食物アレルギー児の幼児期における心理社会的問題と母親が実施した対応策を明らかにすることを目的に, FA児の母親8名に半構成面接を行い, 質的記述的に分析した. 母親は, FA児の幼児期の心理社会的問題として, 【FA児だけが我慢しなければならない状況】【食を通した体験の不足】【原因食物に対するネガティブな感情】【アレルギーに関する判断の未熟さ】【親元から離れる段階への移行が困難な状況】を認識していた. それらの問題に対して, 【食への主体性を育める場面の設定】【他児と体験が共有できる環境の調整】【FA児の気持ちへの共感】【外出時...

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Published in武庫川女子大学看護学ジャーナル Vol. 6; pp. 11 - 21
Main Authors 西田紀子, 植木慎悟, 藤田優一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 武庫川女子大学看護学部 20.03.2021
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ISSN2424-0303

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Summary:「要旨」 母親が認識した携帯用アドレナリン自己注射薬を所持する重症食物アレルギー児の幼児期における心理社会的問題と母親が実施した対応策を明らかにすることを目的に, FA児の母親8名に半構成面接を行い, 質的記述的に分析した. 母親は, FA児の幼児期の心理社会的問題として, 【FA児だけが我慢しなければならない状況】【食を通した体験の不足】【原因食物に対するネガティブな感情】【アレルギーに関する判断の未熟さ】【親元から離れる段階への移行が困難な状況】を認識していた. それらの問題に対して, 【食への主体性を育める場面の設定】【他児と体験が共有できる環境の調整】【FA児の気持ちへの共感】【外出時にアレルギー対応食を食べさせる準備】【FA児の気持ちに配慮した食事療法への対応】【アレルギーに対するセルフケア能力の向上を目指した教育】【家庭外でFA児に関わる大人に理解を得るための働きかけ】を有効な対応策として実施していた.
ISSN:2424-0303