KT-2000を用いた膝前後不安定性評価の際の留意点

KT-2000 knee arthrometerを用いて, 膝前後不安定性を評価することが一般的になりつつあるが, 年齢・性・反張の有無を考慮したものは少ない. そこで, 本研究ではそれらを詳細に分けて比較検討し, 各々が与える影響を調べることを目的とした. 健常人134名(218膝)を対象に, KT-2000 knee arthrometerを用いて膝の前後変位量を測定し, 年代別・性別を比較した結果, 女性にのみ加齢にともなう変位量の減少を認め, 20代の女性のみが有意に男性より大きな値を示した. また, 膝前十字靱帯損傷患者の健側を調べたが, 反張膝(10膝)と非反張膝(10膝)では,...

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Published in理学療法学 Vol. 25; no. 5; pp. 318 - 322
Main Authors 藤原淳詞, 越智光夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 31.07.1998
日本理学療法士学会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.kj00003130765

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Summary:KT-2000 knee arthrometerを用いて, 膝前後不安定性を評価することが一般的になりつつあるが, 年齢・性・反張の有無を考慮したものは少ない. そこで, 本研究ではそれらを詳細に分けて比較検討し, 各々が与える影響を調べることを目的とした. 健常人134名(218膝)を対象に, KT-2000 knee arthrometerを用いて膝の前後変位量を測定し, 年代別・性別を比較した結果, 女性にのみ加齢にともなう変位量の減少を認め, 20代の女性のみが有意に男性より大きな値を示した. また, 膝前十字靱帯損傷患者の健側を調べたが, 反張膝(10膝)と非反張膝(10膝)では, 反張群が有意に大きな値を示した. したがって, 前十字靱帯損傷などの前後不安定性を評価する際, 年齢, 性, 反張の有無を考慮する必要がある.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.kj00003130765