リアルタイム生体内共焦点レーザ顕微鏡を用いたdrug delivery systems(DDS)の動態評価法

「はじめに」ドラッグデリバリーシステム(drug delivery system;DDS)は「必要なときに必要な場所で必要な薬効を示す」というコンセプトに基づき, がんなどの難治性疾患を, 副作用を低減しながら効率的に治療することのできる方法として注目されている. このコンセプトを実現するためにナノスケールのキャリアに薬剤を内包させたナノキャリアが開発されており, 薬剤の生体内分布を改善することに成功してきている. さらには, ナノキャリアの精密設計と高機能化が進められ, 生体内分布のみならず細胞内動態をコントロールできるようなDDSが開発されてきている1-3). 当研究室では, 生体適合性材...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 132; no. 12; pp. 1347 - 1354
Main Authors 野本貴大, 松本有, 藤加珠子, R.James Christie, 宮田完二郎, 大庭誠, Horacio Cabral, 村上真美, 福島重人, 西山伸宏, 片岡一則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本薬学会 01.12.2012
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「はじめに」ドラッグデリバリーシステム(drug delivery system;DDS)は「必要なときに必要な場所で必要な薬効を示す」というコンセプトに基づき, がんなどの難治性疾患を, 副作用を低減しながら効率的に治療することのできる方法として注目されている. このコンセプトを実現するためにナノスケールのキャリアに薬剤を内包させたナノキャリアが開発されており, 薬剤の生体内分布を改善することに成功してきている. さらには, ナノキャリアの精密設計と高機能化が進められ, 生体内分布のみならず細胞内動態をコントロールできるようなDDSが開発されてきている1-3). 当研究室では, 生体適合性材料のポリエチレングリコール(polyethylene glycol;PEG)をベースとしたブロック共重合体を用いて, DNAやsiRNA, 制がん剤などを内包した高分子ミセル型DDSを開発してきた. これらのDDSを用いることで薬剤の生体内動態の改善や効率的な治療効果が得られ, ミセル型DDSの有用性が示されている1,2).
ISSN:0031-6903