小児がん患児の復学支援ツールの開発 - 小学生に対する試作絵本の読み聞かせ効果と活用法の検討

「要旨」本研究は小児がん患児の復学支援の説明用ツールとして試作した絵本の読み聞かせによって, 絵本が小学生に対してがんの子どもの入院から復学までの状況をどの程度説明できるか, その効果と活用方法を検討することを目的とした. 倫理委員会の承認後, A小学校の3年生を対象に読み聞かせを実施し, 無記名自記式アンケート調査で, がんの認知, 主人公の理解の程度を選択式, 自由記述式で回答を得た. 回収した42名を分析した結果, 半数以上の児童ががんを認知していた. さらに試作絵本の読み聞かせによって児童は, 主人公の入院時の状況や気持ちを共感的に理解しており, 一定の説明効果があることが明らかとなっ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in岐阜聖徳学園大学看護学研究誌 no. 1; pp. 3 - 15
Main Authors 大見サキエ, 安田和夫, 森口清美, 高橋由美子, 畑中めぐみ, 谷脇歩実, 宮城島恭子, 谷口惠美子, 河合洋子, 平賀健太郎, 堀部敬三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 岐阜聖徳学園大学 31.03.2016
Online AccessGet full text
ISSN2189-9525

Cover

More Information
Summary:「要旨」本研究は小児がん患児の復学支援の説明用ツールとして試作した絵本の読み聞かせによって, 絵本が小学生に対してがんの子どもの入院から復学までの状況をどの程度説明できるか, その効果と活用方法を検討することを目的とした. 倫理委員会の承認後, A小学校の3年生を対象に読み聞かせを実施し, 無記名自記式アンケート調査で, がんの認知, 主人公の理解の程度を選択式, 自由記述式で回答を得た. 回収した42名を分析した結果, 半数以上の児童ががんを認知していた. さらに試作絵本の読み聞かせによって児童は, 主人公の入院時の状況や気持ちを共感的に理解しており, 一定の説明効果があることが明らかとなった. また, 読み聞かせガイドの活用や読み聞かせ後の質疑・感想発表会は児童の理解をより一層深めていた. 今後, 絵本を修正すると共に, 読み聞かせの補足資料としてガイドを充実させ, より効果的な活用方法を検討することが課題である.
ISSN:2189-9525