日本国内の有害事象自発報告データベース(JADER)を用いたデータマイニングによる経口血糖降下薬と低血糖症との関連性の評価

「緒言」 2型糖尿病は膵β細胞の機能不全やインスリン抵抗性, あるいはグルカゴンの過分泌等によって持続的な高血糖が引き起こされる代謝異常疾患で, その患者数は現在世界各国で増加し続けている. 1)高血糖状態を放置すると高血圧や心血管障害の発生リスクが高まり, さらに, 細血管障害又は腎症のような糖尿病合併症を発症する危険性があることから, 2型糖尿病の治療では運動療法及び食事療法に加えて, 必要であれば経口血糖降下薬あるいはインスリン製剤などによる薬物療法を追加し, 適切な血糖値を維持することが重要となる. 現在広く使用されている経口血糖降下薬は作用機序によりスルホニルウレア系薬(sulfon...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 134; no. 2; pp. 299 - 304
Main Authors 梅津亮冴a, 西端友里a, 阿部純子b, c, 鈴木悠起也a, d, 原英彰d, 永澤秀子c, 紀ノ定保臣e, 中村光浩a
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本薬学会 01.02.2014
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Summary:「緒言」 2型糖尿病は膵β細胞の機能不全やインスリン抵抗性, あるいはグルカゴンの過分泌等によって持続的な高血糖が引き起こされる代謝異常疾患で, その患者数は現在世界各国で増加し続けている. 1)高血糖状態を放置すると高血圧や心血管障害の発生リスクが高まり, さらに, 細血管障害又は腎症のような糖尿病合併症を発症する危険性があることから, 2型糖尿病の治療では運動療法及び食事療法に加えて, 必要であれば経口血糖降下薬あるいはインスリン製剤などによる薬物療法を追加し, 適切な血糖値を維持することが重要となる. 現在広く使用されている経口血糖降下薬は作用機序によりスルホニルウレア系薬(sulfonylurea; SU), 速効性インスリン分泌促進薬(Meglitinide), ビグアナイド系薬(biguanide; BG), チアゾリジンジオン系薬(thiazolidinedione; TZD), Alpha-Glucosidase阻害薬(AGI), 及びDipeptidyl Peptidase-4阻害薬(DPP-4I)の6種類に分類される.
ISSN:0031-6903
1347-5231