客観的視点と看護師視点を同時に視聴できる視聴覚教材の評価

「はじめに」近年, 医療の高度化, 患者の高齢化・重症化, 平均在院日数の短縮等により看護師が行う業務は多様化・複雑化し, 看護基礎教育(以下基礎教育とする)には質の高い看護実践能力を有する人材の育成が期待されている. しかし, 患者の人権への配慮や医療安全確保等により, 臨地実習で学生が実施できる看護技術の範囲や機会は限定され, 基礎教育で修得する看護技術と臨床が期待する看護技術との乖離は問題となっている. この問題解決のため, 2008年のカリキュラム改正では, 看護技術の多くを学ぶ基礎看護学を『専門分野I』とした. 下野ら(2010)は, 分野の特定化により基礎看護技術の教育に費やす学内...

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Published in岐阜聖徳学園大学看護学研究誌 no. 3; pp. 31 - 40
Main Authors 小西真人, 中川名帆子, 上田ゆみ子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 岐阜聖徳学園大学 31.03.2018
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ISSN2189-9525

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Summary:「はじめに」近年, 医療の高度化, 患者の高齢化・重症化, 平均在院日数の短縮等により看護師が行う業務は多様化・複雑化し, 看護基礎教育(以下基礎教育とする)には質の高い看護実践能力を有する人材の育成が期待されている. しかし, 患者の人権への配慮や医療安全確保等により, 臨地実習で学生が実施できる看護技術の範囲や機会は限定され, 基礎教育で修得する看護技術と臨床が期待する看護技術との乖離は問題となっている. この問題解決のため, 2008年のカリキュラム改正では, 看護技術の多くを学ぶ基礎看護学を『専門分野I』とした. 下野ら(2010)は, 分野の特定化により基礎看護技術の教育に費やす学内実習時間数を大幅に増やすことができると述べている. その一方, カリキュラム改正で単位数・時間数が全体で増加したにも関わらず, 基礎看護学の単位数・時間数, 及び看護技術の実践の場である臨地実習の単位数・時間数は旧カリキュラムと変化が無い.
ISSN:2189-9525