特定健康診査の標準的な質問票と新潟県版塩分チェックリストによる推定食塩摂取量との関連
「要旨」特定健康診査(以下, 「特定健診」という. )は多くの対象者を把握でき, 保健指導を着実に行える絶好の機会であるが, 減塩指導を受ける観点からは十分な機会になっておらず, 特定健診時に使用される標準的な質問票には食塩摂取量に関する項目もない. そこで本研究の目的は標準的な質問票の項目と新潟県版塩分チェックリストによる推定食塩摂取量との関連を明らかにすることである. 方法は胎内市の国民健康保険加入者のうち, 2017年度の特定健康診査受診者1,139人(男性454人, 女性685人)の性別, 年齢, BMI, 腹囲, 収縮期血圧, 拡張期血圧と, 標準的な質問票20項目のデータを用いた....
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Published in | 新潟医療福祉学会誌 Vol. 19; no. 2; pp. 9 - 17 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
新潟医療福祉学会
29.11.2019
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ISSN | 1346-8774 |
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Summary: | 「要旨」特定健康診査(以下, 「特定健診」という. )は多くの対象者を把握でき, 保健指導を着実に行える絶好の機会であるが, 減塩指導を受ける観点からは十分な機会になっておらず, 特定健診時に使用される標準的な質問票には食塩摂取量に関する項目もない. そこで本研究の目的は標準的な質問票の項目と新潟県版塩分チェックリストによる推定食塩摂取量との関連を明らかにすることである. 方法は胎内市の国民健康保険加入者のうち, 2017年度の特定健康診査受診者1,139人(男性454人, 女性685人)の性別, 年齢, BMI, 腹囲, 収縮期血圧, 拡張期血圧と, 標準的な質問票20項目のデータを用いた. 推定食塩摂取量は新潟県民の高食塩摂取に関連する10の食習慣から開発された新潟県版塩分チェックリストを用いた. 本研究はハイリスク者にアプローチするため, 目的変数は推定食塩摂取量の第3四分位を基準に, 男性12g以上, 女性10g以上を食塩摂取量の高値の者とし, 説明変数は基本属性と標準的な質問票20項目を用いて, 二項ロジスティック回帰分析を男女別に行った. 結果は男女とも年齢が若いこと, 腹囲が大きいこと, 遅い夕食をとることが, また男性のみ歩く速度が遅いこと, 女性のみ夕食後の間食・夜食をとることが食塩摂取量の高値の者と有意な関連があった. 今後それらの項目に該当する者は保健指導時に減塩指導が必要であることが示唆された. |
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ISSN: | 1346-8774 |