医療者教育におけるアクティブ・ラーニング導入の質的評価 - 公衆衛生看護学演習の授業実践の成果

「要旨」 本研究の目的は, アクティブ・ラーニングの授業を活用し, 公衆衛生看護活動である住民が主体となってつくる「地域ケアシステム」のプロセスを具体的に理解するために, 想定した某市を事例として取り上げ, 地域ケアシステムの構築に必要な条件をグループワークにより図式化していくことで学生の理解度とチーム学習での教育の成果を明らかにすることである. 方法は「地域ケアシステム」について, e-ラーニング上で動画と関連資料を示し, 地域の人々が病気になっても住み慣れた地域で安心して生活が送れるために, 地域のあるべき姿を考えることを予習課題とした. 授業内では予習課題の疑問点をグループで討議し, シ...

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Published in大和大学研究紀要 保健医療学部編 Vol. 4; pp. 23 - 29
Main Author 志野泰子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 大和大学 15.03.2018
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ISSN2432-5597

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Summary:「要旨」 本研究の目的は, アクティブ・ラーニングの授業を活用し, 公衆衛生看護活動である住民が主体となってつくる「地域ケアシステム」のプロセスを具体的に理解するために, 想定した某市を事例として取り上げ, 地域ケアシステムの構築に必要な条件をグループワークにより図式化していくことで学生の理解度とチーム学習での教育の成果を明らかにすることである. 方法は「地域ケアシステム」について, e-ラーニング上で動画と関連資料を示し, 地域の人々が病気になっても住み慣れた地域で安心して生活が送れるために, 地域のあるべき姿を考えることを予習課題とした. 授業内では予習課題の疑問点をグループで討議し, システム構築に必要な要因を導き出すことで, 学生の知識と学習方法の活性化を図った. アクティブ・ラーニングの授業を導入した成果は質的評価において自主的な学習意欲が高まりチームでの協同の精神が明らかになった. 従来の一斉講義の授業より定期テスト結果も学生の理解度に効果が見られた. 今回の研究によりアクティブ・ラーニングの授業は, 学習に対するレディネスにより知識向上と能動的学習の習慣化につながることが示唆された.
ISSN:2432-5597