排尿障害を契機に発見された成人男性の両側尿管瘤の一例

抄録:症例は36歳, 男性. 排尿困難感, 残尿感, 尿線途絶を主訴に近医泌尿器科を受診. 腹部超音波検査にて膀胱頸部右側に約2cmの嚢胞様腫瘤, 上部尿路の拡張を認めたため当科紹介となった. 膀胱鏡検査にて両側尿管瘤を認めた. 造影CT検査にて軽度の両側上部尿路の拡張を認めた. 経尿道的尿管瘤切開術を施行した. 術後より排尿症状や上部尿路の拡張は消失した. 膀胱尿管逆流(VUR)は認めていない. 尿管瘤は主に小児で認められる疾患であり女児に多いが, 成人男性で発見される尿管瘤は比較的稀である. 今回, 経尿道的に切開した1例を経験したので文献的考察を加え報告する....

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Published in西日本泌尿器科 Vol. 84; no. 5; pp. 566 - 570
Main Authors 谷川堅太郎, 吉田毅, 飯原清隆, 安田幸平, 呉竹景介, 福田敦史, 原田修治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本泌尿器科学会 01.06.2022
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Summary:抄録:症例は36歳, 男性. 排尿困難感, 残尿感, 尿線途絶を主訴に近医泌尿器科を受診. 腹部超音波検査にて膀胱頸部右側に約2cmの嚢胞様腫瘤, 上部尿路の拡張を認めたため当科紹介となった. 膀胱鏡検査にて両側尿管瘤を認めた. 造影CT検査にて軽度の両側上部尿路の拡張を認めた. 経尿道的尿管瘤切開術を施行した. 術後より排尿症状や上部尿路の拡張は消失した. 膀胱尿管逆流(VUR)は認めていない. 尿管瘤は主に小児で認められる疾患であり女児に多いが, 成人男性で発見される尿管瘤は比較的稀である. 今回, 経尿道的に切開した1例を経験したので文献的考察を加え報告する.
ISSN:0029-0726