With/afterコロナ時代における腎代替療法患者の管理の要点

抄録:腎代替療法(透析, 腎移植)を受けている患者(腎代替療法患者)は免疫能の低下が原因で新型コロナウイルス感染症(Coronavirus Disease 2019:COVID-19)の重症化率および死亡率が高く, 特異的な管理知識が必要である. 新型コロナウイルスワクチンに関して一般人口の1回目の接種と同等の抗体獲得率を得るためには透析患者は2回, 腎移植患者は3回の接種が必要であり, この根拠に基づいたワクチン接種指導を行うべきである. 特に腎移植を予定している者には移植前にワクチン接種を完了させることが重要である. 腎代替療法患者は病院内で同じ治療を受ける多くの患者と時間的空間的な共有を...

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Published in西日本泌尿器科 Vol. 84; no. 5; pp. 508 - 513
Main Authors 安藤忠助, 鈴木駿太郎, 佐藤吉泰, 篠原麻由香, 中島駿佑, 安部怜樹, 渡辺大, 岩崎和範, 高橋美香, 甲斐友喜, 羽田真郎, 澁谷忠正, 秦聡孝, 三股浩光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本泌尿器科学会 01.06.2022
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ISSN0029-0726

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Summary:抄録:腎代替療法(透析, 腎移植)を受けている患者(腎代替療法患者)は免疫能の低下が原因で新型コロナウイルス感染症(Coronavirus Disease 2019:COVID-19)の重症化率および死亡率が高く, 特異的な管理知識が必要である. 新型コロナウイルスワクチンに関して一般人口の1回目の接種と同等の抗体獲得率を得るためには透析患者は2回, 腎移植患者は3回の接種が必要であり, この根拠に基づいたワクチン接種指導を行うべきである. 特に腎移植を予定している者には移植前にワクチン接種を完了させることが重要である. 腎代替療法患者は病院内で同じ治療を受ける多くの患者と時間的空間的な共有をすることが多いため, すべての患者に感染予防対策と感染拡大予防対策の両者を徹底させ, 少しでも体調が悪い場合は来院前に事前連絡をするように教育することが重要である. また, 腎代替療法患者がCOVID-19となった場合は入院加療が原則であるが, 診療可能な病院や病床は限定的である. したがって行政と地域の関連病院が連携を密にして, 負担を分担し, 地域が一体となってCOVID-19診療を行うことが必須である.
ISSN:0029-0726