下大静脈腫瘍塞栓を伴った腎血管筋脂肪腫の1例

抄録:症例は55歳, 女性. 2014年に検診で右腎血管筋脂肪腫を指摘され当科紹介受診. 最大径17mmの右腎血管筋脂肪腫を確認し1年毎にCTで経過観察の方針となっていたがその後再来はなかった. 2018年に検診で右腎腫瘍を再指摘され当科紹介となった. CTで下大静脈塞栓を伴う最大径65mmの右腎血管筋脂肪腫を認めた. 術前に一時的下大静脈フィルターを挿入し開放右腎摘除術および腫瘍塞栓摘出術を行った. 腫瘍は周囲との癒着はなく下大静脈切開を行い右腎および腫瘍塞栓を一塊に摘出した. 本症例は4年の経過で17mmの右腎血管筋脂肪腫が65mmに増大し下大静脈まで到達する腫瘍塞栓が出現した. 腎血管筋...

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Published in西日本泌尿器科 Vol. 84; no. 5; pp. 558 - 561
Main Authors 秋武正和, 福地源司郎, 山田茂智, 清島圭二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本泌尿器科学会 01.06.2022
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ISSN0029-0726

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Summary:抄録:症例は55歳, 女性. 2014年に検診で右腎血管筋脂肪腫を指摘され当科紹介受診. 最大径17mmの右腎血管筋脂肪腫を確認し1年毎にCTで経過観察の方針となっていたがその後再来はなかった. 2018年に検診で右腎腫瘍を再指摘され当科紹介となった. CTで下大静脈塞栓を伴う最大径65mmの右腎血管筋脂肪腫を認めた. 術前に一時的下大静脈フィルターを挿入し開放右腎摘除術および腫瘍塞栓摘出術を行った. 腫瘍は周囲との癒着はなく下大静脈切開を行い右腎および腫瘍塞栓を一塊に摘出した. 本症例は4年の経過で17mmの右腎血管筋脂肪腫が65mmに増大し下大静脈まで到達する腫瘍塞栓が出現した. 腎血管筋脂肪腫における定期経過観察の重要性が再認識された.
ISSN:0029-0726