甲殻類, 軟体類, アニサキス, 回虫, ゴキブリ, ダニ間の交叉反応性が疑われたアナフィラキシーの2症例

症例1: 26歳, 男性.1999年5月ちくわの天ぷら摂取30分後に, アナフィラキシー症状が出現した.幼少時よりエビ・カニ・イカ摂取後の呼吸困難を自覚していた.症例2: 60歳, 女性.1999年6月タコ・イカを摂取1時間後に全身紅潮・血圧低下等のアナフィラキシー症状が出現した.2症例ともにIg ERASTではエビ・カニ・イカ・ゴキブリ・回虫・アニサキス・ダニが陽性で, 皮内テスト等の皮膚テストでもエビ・カニ・イカ・ゴキブリ・アニサキスで陽性を示した.またアニサキスによるimmunoblot 法でトロポミオシンと合致する34kdにバンドを認めた.以上の結果より, 自験2症例はトロポミオシンを...

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Published in皮膚 Vol. 43; no. 1; pp. 67 - 73
Main Authors 福永, 淳, 千原, 俊也, 原田, 晋, 堀川, 達弥, 市橋, 正光
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本皮膚科学会大阪地方会 2001
Subjects
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Summary:症例1: 26歳, 男性.1999年5月ちくわの天ぷら摂取30分後に, アナフィラキシー症状が出現した.幼少時よりエビ・カニ・イカ摂取後の呼吸困難を自覚していた.症例2: 60歳, 女性.1999年6月タコ・イカを摂取1時間後に全身紅潮・血圧低下等のアナフィラキシー症状が出現した.2症例ともにIg ERASTではエビ・カニ・イカ・ゴキブリ・回虫・アニサキス・ダニが陽性で, 皮内テスト等の皮膚テストでもエビ・カニ・イカ・ゴキブリ・アニサキスで陽性を示した.またアニサキスによるimmunoblot 法でトロポミオシンと合致する34kdにバンドを認めた.以上の結果より, 自験2症例はトロポミオシンを主要抗原とするアレルギー反応であると考えられた.これらの生物に存在するトロポミオシンに関連した抗原間には交叉反応がある可能性が疑われ, 今後注意を要する症例と考えた.
ISSN:0018-1390
1884-541X
DOI:10.11340/skinresearch1959.43.67