帝京大学運動部員に対するスポーツ医学的サポート体制の構築

「1. はじめに」アスリートにとって, どのようにスポーツ傷害を予防し, またスポーツ傷害が生じた場合にはいかに確実に早期に復帰するかというのは切実な問題である. ある研究によると, 深刻なスポーツ傷害を克服できた選手に共通する特徴として, 自身の怪我やリハビリに対してよく質問し, リハビリや治療プログラムによく従うといった傾向があることが報告されている. そのためには, アスリート自身が自分に行われている医療レベルに対して信頼していることが絶対条件となる. しかし, アスリートは自分が受けている医療のレベルがどの程度なのか分からないまま, ある種の懐疑心を抱きながら診療を受けている場合がほと...

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Published in帝京大学スポーツ医療研究 Vol. 1; pp. 17 - 28
Main Authors 高尾昌人, 大野京子, 村田宣夫, 下村一之, 蛭間栄介, 殖田友子, 岩出雅之, 中野孝行, 中島幸則, 多田五月, 本郷仁吾, 加藤基
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 帝京大学医療技術学部スポーツ医療学科 28.02.2009
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ISSN1883-406X

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Summary:「1. はじめに」アスリートにとって, どのようにスポーツ傷害を予防し, またスポーツ傷害が生じた場合にはいかに確実に早期に復帰するかというのは切実な問題である. ある研究によると, 深刻なスポーツ傷害を克服できた選手に共通する特徴として, 自身の怪我やリハビリに対してよく質問し, リハビリや治療プログラムによく従うといった傾向があることが報告されている. そのためには, アスリート自身が自分に行われている医療レベルに対して信頼していることが絶対条件となる. しかし, アスリートは自分が受けている医療のレベルがどの程度なのか分からないまま, ある種の懐疑心を抱きながら診療を受けている場合がほとんどではないだろうか. これには, 特に我が国の医療システムの特異性が関与している. 世界のほとんどの国では, 国による国民への医療の供給を保証しておらず, 患者が払える金額に応じて受けられる医療の質も変わる.
ISSN:1883-406X