変形性膝関節症例に対する免荷歩行の検討

我々は, 杖歩行において杖の長さと杖負荷量が膝関節内外側荷重量にどのような変化を与えるか検討した. 12例の内側型変形性膝関節症例を対象に, 床反力及び下肢アライメントから歩行時の膝荷重量を算出した. 杖なし歩行時と比較して膝関節内側荷重量は杖の負荷量を増すほど減少し, その程度は杖負荷量が体重の10%で約90%, 20%で約77%, 30%で約65%であった. この減少率は杖の長さに影響を受けなかった. また外側荷重量は, 杖使用による変化を認めなかった. 加えて大腿脛骨角(FTA)の程度が異なっても杖による膝関節荷重量の減少率に違いがなかった. 膝関節保護のため杖を処方する場合, 杖の負荷...

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Published in理学療法学 Vol. 23; no. 4; pp. 184 - 190
Main Authors 安江由美子, 下野俊哉, 小林眞紀, 山本隆博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 31.05.1996
日本理学療法士学会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.kj00001307722

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Summary:我々は, 杖歩行において杖の長さと杖負荷量が膝関節内外側荷重量にどのような変化を与えるか検討した. 12例の内側型変形性膝関節症例を対象に, 床反力及び下肢アライメントから歩行時の膝荷重量を算出した. 杖なし歩行時と比較して膝関節内側荷重量は杖の負荷量を増すほど減少し, その程度は杖負荷量が体重の10%で約90%, 20%で約77%, 30%で約65%であった. この減少率は杖の長さに影響を受けなかった. また外側荷重量は, 杖使用による変化を認めなかった. 加えて大腿脛骨角(FTA)の程度が異なっても杖による膝関節荷重量の減少率に違いがなかった. 膝関節保護のため杖を処方する場合, 杖の負荷量を考慮することが重要である.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.kj00001307722