激しい運動は注意機能に影響を及ぼすのか?

「序」運動をすることは気分にポジティブな影響を及ぼす(例えばAbadie, 1989;荒井ほか, 2002;松本ほか, 2008)だけでなく, 認知機能にもポジティブな影響を及ぼすことが報告されている(Aks, 1998;Arcelin et al., 1997). 例えばAks(1998)は, 運動(10分間の自転車エルゴメーター)が視覚探索に及ぼす影響を検討している. 視覚探索課題はディスプレイ上に提示された複数の円の中に, 指定された大きさや色のターゲットが存在するかしないかをできるだけ速く反応するものであった. 運動の前後で課題成績を比較したところ, 運動後の反応速度が向上し, エラー...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inスポーツ心理学研究 Vol. 38; no. 2; pp. 99 - 108
Main Authors 松本亜紀, 野口副武, 赤間英夫, 箱田裕司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本スポーツ心理学会 2011
Online AccessGet full text
ISSN0388-7014

Cover

More Information
Summary:「序」運動をすることは気分にポジティブな影響を及ぼす(例えばAbadie, 1989;荒井ほか, 2002;松本ほか, 2008)だけでなく, 認知機能にもポジティブな影響を及ぼすことが報告されている(Aks, 1998;Arcelin et al., 1997). 例えばAks(1998)は, 運動(10分間の自転車エルゴメーター)が視覚探索に及ぼす影響を検討している. 視覚探索課題はディスプレイ上に提示された複数の円の中に, 指定された大きさや色のターゲットが存在するかしないかをできるだけ速く反応するものであった. 運動の前後で課題成績を比較したところ, 運動後の反応速度が向上し, エラー頻度は減少した. この結果は運動によって認知機能が促進されていることを示している. 同様の結果は反応選択課題を用いたArcelin et al.(1997)でも報告されており, 休憩中と比較して運動中(10分間の自転車エルゴメーター)は, 反応速度の向上がみとめられている.
ISSN:0388-7014