ELISA法による抗Chlamydia pneumoniae特異抗体の測定 2. 臨床的有用性及び血清学的診断基準の検討
我々は, 新たに開発されたenzyme。linkedimmunosorbentassay (ELISA法) による抗Chlamydiapneumoniae (C. pneumoniae) 特異抗体検出試薬を用いて抗体価を測定し, その臨床的有用性を検討した. 呼吸器感染症患者の血清418検体のIgG, IgA及びIgM抗体を測定し, 同一検体のmicroimmunofluorescence test (Micro-IF法) による抗体価と比較した結果, 相関はいずれも良好であった. 陰性一致率は, 陽性一致率に比べより高値を示した. 不一致検体についてWestern blot法により解析したと...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 70; no. 8; pp. 830 - 839 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
20.08.1996
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Summary: | 我々は, 新たに開発されたenzyme。linkedimmunosorbentassay (ELISA法) による抗Chlamydiapneumoniae (C. pneumoniae) 特異抗体検出試薬を用いて抗体価を測定し, その臨床的有用性を検討した. 呼吸器感染症患者の血清418検体のIgG, IgA及びIgM抗体を測定し, 同一検体のmicroimmunofluorescence test (Micro-IF法) による抗体価と比較した結果, 相関はいずれも良好であった. 陰性一致率は, 陽性一致率に比べより高値を示した. 不一致検体についてWestern blot法により解析したところ, ELISA法の結果と高い一致率を示した. さらに初診時の小児 (0~15歳) 及び成人 (16~90歳) における抗原陽性と抗原陰性別の抗体陽性率は, 成人ではIgG, IgAに有意差は認められなかったが, 小児では共に有意差を認めた. また, IgM陽性率は, 小児及び成人共に有意差を認めた. また, 抗原陽性患者34例の内, Micro-IF法でIgG抗体価≧512を示したものは, ELISA法において全てIgG吸光度≧0.6であり, またIgA吸光度≧0.2であった. これらの結果から, 本ELISA法の臨床的有用性が示唆された. さらに, 本法におけるC. pneurnoniae感染症の血清学的診断意義及び急性感染の判定基準について考察した. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.70.830 |