当科における早期舌癌症例の検討 早期舌癌患者における臨床病理学的評価および予防的頸部郭清術について

早期舌癌症例において潜在的頸部リンパ節転移を制御することは重要である。われわれは,手術加療を行った早期舌癌34症例について後方視的に検討を行った。内訳は舌部分切除術のみが27例で,4例で後発リンパ節転移を認め,内2例が現病死した。予防的頸部郭清術を併施したのは7例で,後発リンパ節転移は認めなかった。3年粗生存率は86.7%,3年疾患特異的生存率は93.8%であった。病理学的因子の検討では,depth of invasion(DOI)が潜在的頸部リンパ節転移を反映しており,術前から評価できれば,予防的頸部郭清術の適応基準となる可能性が示唆された。今後は,臨床的DOI評価の標準化が望まれる。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 30; no. 3; pp. 309 - 316
Main Authors 明石, 愛美, 神川, 文彰, 望月, 文博, 深澤, 雅彦, 肥塚, 泉, 春日井, 滋, 岩武, 桜子, 三上, 公志, 長宗我部, 基弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2020
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.30.309

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Summary:早期舌癌症例において潜在的頸部リンパ節転移を制御することは重要である。われわれは,手術加療を行った早期舌癌34症例について後方視的に検討を行った。内訳は舌部分切除術のみが27例で,4例で後発リンパ節転移を認め,内2例が現病死した。予防的頸部郭清術を併施したのは7例で,後発リンパ節転移は認めなかった。3年粗生存率は86.7%,3年疾患特異的生存率は93.8%であった。病理学的因子の検討では,depth of invasion(DOI)が潜在的頸部リンパ節転移を反映しており,術前から評価できれば,予防的頸部郭清術の適応基準となる可能性が示唆された。今後は,臨床的DOI評価の標準化が望まれる。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.30.309