経気管吸引法で確認できたBranhamella catarrhalisによる慢性下気道感染症の6症例 とくに複数菌感染の意義について

呼吸器感染症の患者に経気管吸引法 (TTA) を施行し, Branhamella catarrhalisを, TTA細菌陽性の慢性下気道感染症23例・35回中の8回 (22.9%) に検出した. すべてにおいてB. catarrhalisは, 他の細菌といっしょに, 複数菌として検出されており, 本菌の菌量は, 同時に検出された他に細菌に比し, 同等又は多かった. 同時に検出された細菌はKlebsiella pneumoniae2回, Serratia marcescens2回, Streptococcus pneumoniae1回, Haemophilus influenzae1回, Str...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 58; no. 6; pp. 477 - 482
Main Authors 澤木, 政好, 三上, 理一郎, 三笠, 桂一, 辻村, みち子, 鴻池, 義純, 伊藤, 新作, 成田, 亘啓, 播金, 収, 増谷, 喬之, 石井, 勇治, 大堀, 真知子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.06.1984
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Summary:呼吸器感染症の患者に経気管吸引法 (TTA) を施行し, Branhamella catarrhalisを, TTA細菌陽性の慢性下気道感染症23例・35回中の8回 (22.9%) に検出した. すべてにおいてB. catarrhalisは, 他の細菌といっしょに, 複数菌として検出されており, 本菌の菌量は, 同時に検出された他に細菌に比し, 同等又は多かった. 同時に検出された細菌はKlebsiella pneumoniae2回, Serratia marcescens2回, Streptococcus pneumoniae1回, Haemophilus influenzae1回, Streptococcus pneumoniae+ γ-streptococcus 1回, Haemophilus influenzae+Streptococcus pneumoniae+non-fermentative GNR1回であった. 同時喀出疾ではB. catarrhalisは8回中3回 (37.5%) しか検出しなかった. 本菌による呼吸器感染症の正確な把握にはTTAが不可決と考えられた. 以上よりB. catarrhalisの慢性下気道感染症における役割は決して少ないものではないと考える.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.58.477