内科医の外来診療能力に対する卒後初期臨床研修の効果に関する検討

卒後初期臨床研修が内科医の外来診療能力に及ぼす効果を検討するために, 調査票による全国調査を行い, 127名からの回答を分析した. 全体の85.8%が病棟診療と比べて外来診療が特殊であると感じていた. 初期研修期間中に外来研修を経験した者 (全体の74.0%) は, 外来診療の特殊性をより早期から認識する傾向がみられた. 外来で研修不足を感じる手技や疾患の多くは, 診療頻度が少ない, 内科以外の科に関連したものであった. 眼科・耳鼻科・産婦人科で研修した者は, その科に関連した手技や疾患に対する研修不足感が少なかった. 卒後初期臨床研修がその後の外来診療能力に大きく影響していることが確認された...

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Published in医学教育 Vol. 26; no. 4; pp. 247 - 253
Main Authors 大滝, 純司, 岡村, 健二, 厚美, 直孝, 永瀬, 宗重, 樫村, 博正, 岩川, 眞由美, 湯澤, 賢治, 川上, 康, 山下, 亀次郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医学教育学会 25.08.1995
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Summary:卒後初期臨床研修が内科医の外来診療能力に及ぼす効果を検討するために, 調査票による全国調査を行い, 127名からの回答を分析した. 全体の85.8%が病棟診療と比べて外来診療が特殊であると感じていた. 初期研修期間中に外来研修を経験した者 (全体の74.0%) は, 外来診療の特殊性をより早期から認識する傾向がみられた. 外来で研修不足を感じる手技や疾患の多くは, 診療頻度が少ない, 内科以外の科に関連したものであった. 眼科・耳鼻科・産婦人科で研修した者は, その科に関連した手技や疾患に対する研修不足感が少なかった. 卒後初期臨床研修がその後の外来診療能力に大きく影響していることが確認された.
ISSN:0386-9644
2185-0453
DOI:10.11307/mededjapan1970.26.247