大学病院における卒後臨床研修の現状と問題点 久留米大学における場合を中心に

久留米大学病院での卒後臨床研修の現状と問題点を明らかにするために, 卒後10年以内の医師176名に対して, 研修カリキュラム, ローテート研修および卒後の医の倫理教育に関するアンケート調査を行い分析した. 卒後研修カリキュラムが「ある」とした専攻科の割合は60.0%であった. 研修カリキュラムが充実しているほど研修内容についての満足度も高かった. ローテート研修は原則的には回答のあった専攻科すべてで可能であったが, その実施割合は専攻科別で有意な差があった. 医の倫理教育の時期に関しては「卒前のみ」よりも「卒前・卒後」に実施するのがよいとする意見が64.6%を占めた. 当該大学病院のローテート...

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Published in医学教育 Vol. 29; no. 3; pp. 189 - 194
Main Authors 石竹, 達也, 的場, 恒孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医学教育学会 25.06.1998
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Summary:久留米大学病院での卒後臨床研修の現状と問題点を明らかにするために, 卒後10年以内の医師176名に対して, 研修カリキュラム, ローテート研修および卒後の医の倫理教育に関するアンケート調査を行い分析した. 卒後研修カリキュラムが「ある」とした専攻科の割合は60.0%であった. 研修カリキュラムが充実しているほど研修内容についての満足度も高かった. ローテート研修は原則的には回答のあった専攻科すべてで可能であったが, その実施割合は専攻科別で有意な差があった. 医の倫理教育の時期に関しては「卒前のみ」よりも「卒前・卒後」に実施するのがよいとする意見が64.6%を占めた. 当該大学病院のローテート研修を含めた卒後臨床研修カリキュラムの充実と改善が望まれる. 卒前卒後を通した医の倫理教育の重要性が示唆された.
ISSN:0386-9644
2185-0453
DOI:10.11307/mededjapan1970.29.189