顎関節雑音症例に対する下顎前方整位型スプリントを作製する治療位について
下顎前方整位型スプリントの治療効果の向上を目的とし, 造影撮影法, MRIを利用して, 下顎位の違いによる円板と下顎頭の位置関係について検討を加えた。初めに透視下下関節腔単一造影法を行い, 従来から行われている触診による閉口時の雑音発生直前の下顎位と, 円板と下顎頭が確実に整位する下顎位について, 比較した。その結果, 閉口時の雑音発生直前の下顎位での下顎頭と円板の位置関係は, 下顎頭が円板の後方肥厚部下方に位置していた。また円板の中央狭窄部と下顎頭が近接する下顎位は, 閉口時の雑音発生直前の下顎位より2mm前方位であった。この結果をもとに, 閉口時の雑音発生直前の下顎位と, その2mm前方位...
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Published in | 日本顎関節学会雑誌 Vol. 5; no. 2; pp. 311 - 319 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本顎関節学会
20.09.1993
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Subjects | |
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ISSN | 0915-3004 1884-4308 |
DOI | 10.11246/gakukansetsu1989.5.311 |
Cover
Summary: | 下顎前方整位型スプリントの治療効果の向上を目的とし, 造影撮影法, MRIを利用して, 下顎位の違いによる円板と下顎頭の位置関係について検討を加えた。初めに透視下下関節腔単一造影法を行い, 従来から行われている触診による閉口時の雑音発生直前の下顎位と, 円板と下顎頭が確実に整位する下顎位について, 比較した。その結果, 閉口時の雑音発生直前の下顎位での下顎頭と円板の位置関係は, 下顎頭が円板の後方肥厚部下方に位置していた。また円板の中央狭窄部と下顎頭が近接する下顎位は, 閉口時の雑音発生直前の下顎位より2mm前方位であった。この結果をもとに, 閉口時の雑音発生直前の下顎位と, その2mm前方位での円板と下顎位の位置関係を, MRIにより観察した。閉口時の雑音発生直前の下顎位より約2mm前方位では, すべての被験者において, 円板と下顎頭の良好な位置関係が得られていた。以上のことから, 下顎前方整位型スプリントの目的を, 下顎頭と関節円板の整位とするならば, 閉口時の雑音発生直前の下顎位より2mm前方位を治療位とする事が望ましいものと考えられる。 |
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ISSN: | 0915-3004 1884-4308 |
DOI: | 10.11246/gakukansetsu1989.5.311 |