全国小児科外来初診の呼吸器感染症患児より分離されたStreptococcus pneumoniae, Haemophilus influenzaeの検討 (2002~2003年) 抗菌薬前投与のない児の鼻咽頭培養についての検討

以前, 2002年11月~2003年6月に, 日本全国20施設の小児科外来における初診小児呼吸器感染症児より分離されたStreptococcus pneumoniae (468株) およびHaemophilus influenzae (557株) のうち, PRSP (penicillin-resistant S. pneumoniae) が27%, BLNAR (β-lactamase-nonproducing ampicillin resistant H. influenzae) が35%と報告した. そこで, 今回, 同じ調査において, 肺炎, 気管支炎, 中耳炎に罹患した, 抗菌薬前投...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 81; no. 4; pp. 449 - 455
Main Authors 大石, 智洋, 砂川, 慶介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.07.2007
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.81.449

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Summary:以前, 2002年11月~2003年6月に, 日本全国20施設の小児科外来における初診小児呼吸器感染症児より分離されたStreptococcus pneumoniae (468株) およびHaemophilus influenzae (557株) のうち, PRSP (penicillin-resistant S. pneumoniae) が27%, BLNAR (β-lactamase-nonproducing ampicillin resistant H. influenzae) が35%と報告した. そこで, 今回, 同じ調査において, 肺炎, 気管支炎, 中耳炎に罹患した, 抗菌薬前投与のない鼻咽頭培養施行症例558例につき検討を加えた. S. pneumoniaeおよびH. influenzaeの検出率は, 経鼻的採取と経口的採取との比較肺炎と気管支炎と中耳炎との比較のいずれにおいても有意差を認めなかったが, 4歳以下の症例では5歳以上に比べてS. pneumoniaeのみ有意に検出率が高い結果となった.また, 集団保育のある児では, ない児に比べてH. influenzaeの検出率が有意に高い結果となった. 分離されたS. pneumoniae, H. influenzaに占めるPRSP, BLNARの割合では, いずれの項目でも有意差を認めなかった. 以上の結果より, 呼吸器感染症罹患児の鼻咽頭において, 低年齢ほどS. pneumoniaeが検出されやすく, 集団保育がある場合に, H. influenzaeが検出されやすくなると考えられるが, 耐性菌の検出は, 抗菌薬など今回検討しなかった別の要因が関係していると思われた.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.81.449