幼児期の生活習慣病リスクに関する研究

「緒言」21世紀を迎え, 社会全体の生活習慣が多様化するとともに, 小児の健康状態も大きく変化している. 近年, 小児の間で, 肥満, 高脂血症, 高血圧, 高血糖などの生活習慣病(1996年までは成人病)リスク保有者が年々増加傾向にあり1), その現象は日本だけでなく世界的に増加していることから2,3), 生活習慣病リスク保有者の若年化は明らかである. 生活習慣病リスクの発現が若年化してきた背景には, 食事の偏り, 運動不足, 不規則な生活リズム, ストレスなどの心理状態, 養育者の意識の変化が挙げられている4,5). しかし, これらの要因だけでなく社会の都市化に伴い, 子どもたちを取り巻...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in栄養学雑誌 Vol. 65; no. 2; pp. 67 - 73
Main Authors 杉浦令子, 坂本元子, 村田光範
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養改善学会 01.04.2007
Online AccessGet full text
ISSN0021-5147

Cover

More Information
Summary:「緒言」21世紀を迎え, 社会全体の生活習慣が多様化するとともに, 小児の健康状態も大きく変化している. 近年, 小児の間で, 肥満, 高脂血症, 高血圧, 高血糖などの生活習慣病(1996年までは成人病)リスク保有者が年々増加傾向にあり1), その現象は日本だけでなく世界的に増加していることから2,3), 生活習慣病リスク保有者の若年化は明らかである. 生活習慣病リスクの発現が若年化してきた背景には, 食事の偏り, 運動不足, 不規則な生活リズム, ストレスなどの心理状態, 養育者の意識の変化が挙げられている4,5). しかし, これらの要因だけでなく社会の都市化に伴い, 子どもたちを取り巻く環境が影響していることも大きな要因の一つとして考えなければならない. したがって, 幼児期から規則正しい生活習慣, 食習慣, 運動習慣を身に付けること, さらに食環境, 生活環境などの環境アセスメントが重要であることは明らかである. わが国では幼児期に関しては, 生活習慣病リスク保有者の経年変化をみた報告や疫学調査を実施した報告がある6~8) .
ISSN:0021-5147